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フィッチ、タイの信用格付けを「ネガティブ」に引き下げ。政治混乱と財政悪化を懸念。
- 2025/9/25
- もっと知りタイランド

国際的な信用格付け機関フィッチ・レーティングスは、タイの長期外貨建て発行体デフォルト格付け(IDR)の見通しを「安定的(Stable)」から「ネガティブ(Negative)」に変更しました。
要因としては、政治の不安定化、財政の悪化、そして経済成長の低迷を挙げられています。
ただし、タイの格付け自体は「BBB+」に据え置きとなっています。
フィッチによれば、タイの政府債務は着実に増加し、現在GDP比59.4%に達していると言います。
これは「BBB」格付け国の平均に近い水準であり、コロナ禍前から比べて25%増加しています。
同社は特に政治的不透明感を重要なリスク要因として強調しています。
直近ではペトンタン元首相の解任により、新政権の樹立と今後4か月以内の解散総選挙が必要となり、国政運営や政策の継続性に懸念が生じています。
フィッチの予測によると、タイ経済の成長率は2025年に2.2%、2026年に1.9%と見込まれており、いずれも「BBB」格付け国の平均である2.7%を下回っています。
観光業と輸出産業が依然として完全回復していないことも、見通しの弱さの一因となっています。
「BBB+」格付け維持の理由
見通しは引き下げられたものの、格付けそのものは「BBB+」が維持されました。
背景には以下の強みがあると言います。
・堅調な外貨準備と恒常的な経常黒字
・慎重なマクロ経済運営姿勢
・政府債務の大半がタイバーツ建てであり、金利負担は歳入の5.7%にとどまる(同格付け国平均は9.2%)
財政見通しと課題
フィッチは、短期的にタイは財政赤字が続くと予測しており、2025年度はGDP比4.6%、2026年度は4.3%と見込んでいます。
しかし、2026年以降に赤字削減の道筋が見えていない点について、主に政治的不安定を理由に懸念を示しています。
今後の展望
・格下げの可能性:政府債務の対GDP比が抑制できない場合、または政治的行き詰まりで経済活動が深刻に阻害された場合、さらなる格下げもあり得る。
・見通し改善の可能性:逆に、財政赤字削減に明確な進展があり、民間債務が過度に増えない形で経済が力強く回復すれば、見通しは「安定的」に戻される可能性もある。
前政権が、なりふり構わらないばら撒き政策を強行したため、赤字が限界の限界まで達してしまっています。
この負の遺産を引きずりながら、新政権は政権運営を行う必要がありますので、ハードルが最初から高すぎです。