タイ警察、米・日・印と国際連携。コールセンター詐欺撲滅へ「戦略司令室」設置。

タイ警察は、米国、日本、インドの捜査当局と協力し、新たに設置された「戦略司令室」を通じて、国境を越えたコールセンター詐欺集団の壊滅に向けた情報共有と戦略策定を開始しました。

8月23日、バンコクのタイ警察本部にて、警察監察官であり「国際詐欺・人身取引対策司令センター(IAC)」司令官を務めるタッチャイ警察大将がIACウォールームの活動状況を説明しました。

このセンターは、国際的なオンライン詐欺やコールセンター犯罪への対処を目的に、各国の情報共有と連携行動の拠点として設立されました。

米国との協議

タッチャイ大将はサイバー犯罪捜査局長や観光警察副総監と共に、米国のシークレットサービス、FBI、国土安全保障調査局(HSI)などの機関と協議を行いました。
5つの地域代表が参加し、進化するオンライン詐欺や越境犯罪ネットワークに関する情報交換を行いました。

その後、米国議会代表団やタイ警察幹部と人身取引・児童搾取対策についても協議が行われ、IACの活動内容や米タイ間の法執行協力の報告が行われました。

日本・インドとの協議

同日、タイ警察は日本の警察庁幹部とオンライン会議を実施しました。
バンコクの日本大使館関係者も同席し、新手の詐欺手法や日本人が関与するコールセンター犯罪の実態、被害者を違法労働に送り込むネットワークの追跡について情報交換が行われました。


また、タッチャイ大将はインド内務省傘下の「サイバー犯罪調整センター(I4C)」代表団とも会談。
インド大使館幹部も同席し、インド人関与事例や国際的なネットワーク対策が議論されました。

タッチャイ大将は「犯罪組織はタイを拠点や経由地として利用するケースが増え、捜査が複雑化している。しかし米国・日本・インドとの協力強化により、情報交換・技術支援・合同捜査が一層効率的になった」とコメントしました。

さらに「国際協力は犯罪者を追うだけでなく、国境がもはや安全地帯ではないことを国際社会に示すシグナルでもある」と強調しています。

 

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