タイ、海の国境問題に追い風。仏国立図書館で歴史地図発見! クート島は『シャム領』と明記。
- 2025/6/11
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現在カンボジアとタイは、陸の国境で紛争が起きていますが、海の方でも長年揉めている場所があります。
それがトラート県のクート島です。
しかしこのほど、タイが長年領有権の主張し続けた、それを裏付ける可能性のある歴史的なフランス植民地時代の地図が、フランス国立図書館から発見されたとタイメディアが報じています。
この地図は、フランソワ・マリウス・ボードワン(1867–1957)によって作成されたもので、彼は1914年から1927年までカンボジアのフランス植民地高等弁務官として務めた人物でした。
これには海上の境界線が明確に示されており、クート島がシャム(旧タイ王国)に属することが記されています。
この貴重な文書を発見したのは、フランスの名門サン・シール陸軍士官学校を卒業したプラチャ・スミットソンブーン陸軍大佐(在仏タイ大使館・軍事駐在官補佐)でした。
地図の正式名称は「Le Résident Supérieur Baudoin au Cambodge pendant l’époque coloniale française(フランス植民地時代のカンボジアにおけるボードワン高等弁務官)」で、当時のカンボジア統治を目的として作成された正式な行政文書と見なされています。
この地図に示された海上境界線は、近年のカンボジア側の領有権主張と明確に矛盾しており、クート島がタイ領であるという歴史的な根拠を提供するものです。
領有権問題は、近年特に激化しており、クート島周辺のタイ湾に最大で11兆立方フィートの天然ガス埋蔵が見込まれることから、戦略的価値が高まっていました。
この歴史的文書は、タイにとって中立国(旧フランス植民地政権)による証拠資料として、領有権主張を支える重要な外交的武器になる可能性があります。
プラチャ大佐による本件の調査は、フランス国立図書館での綿密な研究によって行われ、地政学的に複雑化する本件問題の解決に貢献することが期待されています。
中国に傾倒しているカンボジアなら、最終的に実行支配という手段をとってくるかもしれませんが。