ソムサック公衆衛生大臣、タイ医師会の決定に拒否権! 権力の行使とは正にかくのごとく。

5月30日午後6時、バンコクの国会議事堂にて、ソムサック公衆衛生大臣は、タクシン・チナワット元受刑者の警察病院VIP病棟(14階)入院問題に関連し、関与した医師らへの処分を求める医師評議会の決議に対し「拒否権」を行使した件についてその理由を説明しました。

■ 処分拒否の理由:法的解釈と合理的判断

・第2医師については、「診断書を午後に書いたのに送致は夜だった」という指摘があったが、「送致の決定権は矯正局長にあり、医師の責任ではない」として処分は不当と判断。

・第3医師についても、「“危篤”という発言がなかった」という点から、根拠に欠けるとして免責判断。

・第4医師の診断内容についても、「患者の病状の複雑さから意見に差が出るのは当然」として、問題なしとの判断を支持。

■ 批判・辞任請求についての受け止め

「医師からの辞任要求運動」については、「心配していない。44年間政治をやってきた。この程度では動じない」と述べ、辞任について問われると笑って「何も動揺していない。正当な判断をしたまで」と述べてます。

■ タクシンへの利益誘導や「指示」疑惑を否定

・今回の拒否権は、「タクシンへの肩入れ判断ではないか?」という質問には「関係ない」と断言。
・「事前にタクシンと話したか?」との質問には「していない」と明言。
・「(誰かから)“指示”があったか?」に対しても「ない。誰が私に命令できるのか」と強く否定。

■ 結論と姿勢

「私は公平な情報に基づいて、正当なプロセスを守って判断した。これが私の信念です」とし、「医師という知性ある職業の人々には、正当な評価と尊重が必要」と述べました。

また、調査委員会の設置や処分のタイミングについては、「自分が設けた調査委員会は4カ月かけたが、倫理委員会の検討は1日もかかっていない。どちらが慎重か明らかだ」と述べ、自身の判断の正当性を主張しました。

医師会という大勢の人たちによって決められた結論が、たった一人の男によって覆させられる。
権力とはまさにこのように行使するのだ、という見本のような対応ぶりですね。
このような大事なことが、たった一人の男によって、決められるという国家システム自体が「独裁」と「専横」を助長させ、国民の声との間の溝が一向に埋まらない理由なのだと感じさせる事件です。

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