タイの廃棄物、過去最高に。リサイクル事業に大きな機運、しかし処理技術に乏しいという難点も。

タイでは、COVID-19パンデミック後の経済回復を遂げた2023年、廃棄物の年間総量が過去最高の2,695万トンを記録しました。
特に懸念されているのは、電子機器、蛍光灯、電池などの有害廃棄物のうち、適切に処理されているのがわずか21%にとどまっている点です。

全体では、廃棄物の72%が適切に管理されていますが、リサイクル分野には大きな「出遅れ感」があるとデータは示しています。

タイの廃棄物管理事業者の現状

タイ中小企業振興機構(OSMEP)および中小企業開発銀行(SME D Bank)研究情報センターのデータによりますと、21,340の事業者が廃棄物処理・リサイクルに従事しています。

その内、83%超(17,815事業者以上)は個人事業主で、3,525事業者は法人となっています。

多くは、スクラップ回収業者や、ペットボトル・金属くずなどを買い取る事業者で、都市部や地域コミュニティに点在しています。
高度な機械設備や多額の資本は持たないものの、タイのリサイクル産業を支える要と言えるかもしれません。

廃棄物事業者が多い県(5都県で全国の55%を占める)

・バンコク
・チョンブリー
・サムットプラカーン
・パトゥムターニー
・サムットサコン

個人・マイクロ企業(16,049事業者以上)

・15,303件:リユース用廃棄物・スクラップの卸売
・377件:廃棄物の収集・処理・処分
・369件:リサイクル・再利用のための素材加工

小規模企業(1,766事業者):

・1,347件:廃棄物・スクラップの卸売
・290件:収集・処理・処分
・129件:再利用加工

業界が直面する課題

・家庭ごみの分別が普及しておらず、再資源化可能な素材が失われている
・多くの事業者が仲介業者にとどまり、基準や技術力に乏しい
・価格は国際市場の影響を受けやすく、小規模事業者は不安定
・収集・分別・運搬インフラが未発達
・法律や政策の実効性が弱く、市民レベルの行動変容を妨げている

その他として、廃棄物処理業者による不法投棄なども挙げられますね。
なんにせよ、これは完全に政府の問題です。

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