これも時代でしょうか。タイのリトル東京「タニヤ通り」。初のKTV出店など押し寄せる中国勢の波。
- 2025/3/25
- バンコクとその近郊

バンコクの活気あふれるシーロム地区の中心に位置するタニヤ通りは、長年にわたり「リトル東京」として親しまれてきました。
約300メートルのこの通りには、日本の文化、グルメ、ナイトライフが凝縮されており、タイにいながら本格的な日本の雰囲気を楽しめます。
タイのカラオケ文化の発祥地
1970年代、バンコクで働く日本人ビジネスマンたちが仕事終わりにくつろげる場所を求め、タニヤ通りにカラオケバーが誕生しました。
この文化は瞬く間に広がり、現在のバンコクのナイトライフのスタイルを形作るきっかけとなりました。
日本各地の味を楽しめるグルメスポット
タニヤ通りには現在40軒以上の日本食レストランが並び、東京・大阪・名古屋・金沢・九州など各地の料理を味わえます。
居酒屋で気軽にお酒と小皿料理を楽しむもよし、タイで流行中の「OMAKASE」な高級店で和食を堪能するもよし。日本の味を愛するグルメにはたまらないエリアとなっています。
ネオン輝く日本風ナイトライフ
日が暮れると、タニヤ通りはまるで東京・歌舞伎町のような景色に変わります。
カラフルなネオンが輝き、バーやカラオケラウンジが賑わいを見せます。
バンコクの他の繁華街とは異なり、日本らしい雰囲気を色濃く残しており、駐在員や出張者だけでなく、地元の人々や観光客にも人気のスポットです。
アクセス便利な隠れた名所
タニヤ通りは、バンコクの有名なパッポン通りからわずか300メートルの距離にあり、BTSスカイトレインのサラデーン駅降りてすぐとアクセスも良好です。
日本文化を色濃く残しながら進化し続けるタニヤ通り。グルメやナイトライフを満喫したい人、異国で日本の雰囲気を楽しみたい人にとって、ぜひ訪れるべきスポットです。
押し寄せる中国人の波「タニヤの今」
以上が、これまでタニヤ通りの通説とされてきました。
しかし、最近は事情が異なってきているようです。
これまでタニヤ通りは、日本人駐在員の方や旅行者の方の社交場としての役割を果たしてきていました。
転機となったのは2020年の新型コロナの大流行。
このコロナで日本人駐在員や出張者、旅行者などが激減してしまいました。
その後コロナ過が明け、これら日本人が戻ってくるかと思いきや、期待するようなコロナ過以前の数値に戻ることはありませんでした。
そして日本人の代わりに戻ってきたのは、中国人や韓国人でした。
その波は、このタニヤ通りにも影響を及ぼしているようです。
以前本誌でご紹介した「CLUB VENUS BANGKOK」のオーナーに伺ったところ、ここ最近タニヤのお客様層に中国人や韓国人の姿を多くに見かけるようになったと言います。
それを象徴するかの如く、最近タニヤに初のKTV(中国系のカラオケ店の総称)が誕生したとのことです。
タニヤ通りが「リトル東京」から「リトルチャイナ」になってしまう日が来てしまうのでしょうか。
そのようなことにならないよう、最近タニヤ通りから足が遠のいているみなさん、改めてタイの歴史が詰まったこの通りを体感してみませんか?