みなさんはこの男を覚えているだろうか。
タイの天竜人、セター前首相だ。
前科者を持つタクシンの腹心を大臣に指名したという倫理違反の罪で、憲法裁判所により首相を解任されたのが2024年８月のことだった。

解任から４，５カ月が経過し、タイメディアでインタビューを受けている内容が、相変わらず天竜人過ぎて面白かったのでご紹介しよう。

アメリカ合衆国コロラド州アスペンを訪れていたセター氏を、タイメディアがインタビューを行った。
同氏は、国民の問題に取り組む前に退任したことを悔いていると述べた。
彼は政治的な立場には戻れないが、別の形で国に貢献したいとも語った。

スレッタ氏は昨年８月14日に重大な倫理違反で解任された。
裁判所は、タクシン裁判で最高裁判所の職員に賄賂を試みたタクシンの腹心・弁護士ピチットを首相府の大臣に任命したことが倫理基準に違反すると判断した。

これは退任後初のインタビューですか？

はい、タイのメディアとのインタビューは今回が初めてです。新政府が完全に発足するまで待つつもりでした。
問題を引き起こしたくなかったのです。

過去4、5ヶ月は何をしていましたか？

退任後は旅行をしていました。首相在任中の海外出張は仕事のためだけでしたが、今はイギリスやヨーロッパ、アメリカで友人を訪ねることができました。

また、好きなサッカーの試合を観戦する機会もありました。
最近では、アメリカ人と結婚した長男に初孫が生まれたため、ニューヨークに行ってきました。
その後、友人に招かれてアスペンを訪れました。
この街は都市計画について学ぶのに興味深い場所であり、タイに適応できるかを探っています。

憲法裁判所の判決を受けた日の感想は？

判決には驚きましたが、政治の世界ではリスクがつきものだと理解しています。
政治の舞台に立つ以上、勝つこともあれば負けることもあるのです。

私もチームも誠実さを持っていたと確信していますが、判決を受け入れ、次に進まなければなりません。
政治は個人の問題ではなく、国のためのものです。

１年未満の首相在任中の成果についてどう思いますか？

非常に重要な期間でした。
私とチームは国民の生活の質を向上させるために尽力しました。
358日という期間は短いかもしれませんが、いくつかのプロジェクトを開始できたことを誇りに思っています。

これらの取り組みを継続できなかったことは残念ですが、新政府がそれを引き継いでくれると信じています。

タイ貢献党との連絡は続いていますか？

はい、プアタイ党の一員であり続け、機会があれば助言を提供しています。
この政府を全面的に支持しています。
ぺトンタン首相は一生懸命働いています。
デジタルウォレットやインフラ投資などの政策は引き続き実施されています。
首相の交代が、国の進展を妨げるべきではありません。

2025年のタイの政治についてどう思いますか？

今年は課題が多い年になるでしょう。
経済や国際関係の問題、特に貿易競争や中国やアメリカなどの大国との経済交渉に直面しています。

国内では、生活費や外国投資、インフラ開発などの経済問題に対処する必要があります。

政治に戻るつもりはありますか？

憲法裁判所の判決により、政治に戻ることは難しいかもしれません。
しかし、政府に負担をかけることなく、他の方法で国を支援する用意があります。

経験を活かして、国の持続可能な発展を支える良い政策やプロジェクトを支援したいと考えています。

在任中に何を学びましたか？

最も悲しかったのは、国の問題がまだ多く解決されていないことを実感したことです。
ノーンブアランプー、シーサケット、チェンライなどの県を訪れ、これまでにない苦難を目の当たりにしました。

タイ国民の生活を改善するためにやるべきことがたくさんあると感じました。
これは現政府が達成するのを支援したいことです。

タイ国民へのメッセージは？

タイ国民の皆さんに感謝したいと思います。
国に貢献する方法はそれぞれ異なりますが、真摯な姿勢と決意を持って取り組むべきです。

私たちの国にはまだ大きな発展の可能性があり、政府が前進するのを支援する準備ができています。

首相になったことで、タイの国民がどのように生活しているか、ようやくかいまみることができたセター氏。
使っても使切れない金に囲まれ、何一つ不自由な生活をこれからも続けるのでしょう。
タイ国民の姿をみて、改めて自身が幸せであると実感できたのかもしれません。
こんなこと言う必要もないのかもしれませんが、セター氏の人生に幸あれ！（いや、あり杉）