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- タイにおけるプラスチック廃棄物の影響顕著に。基準に満たない7種のプラ廃、規制進まず。
タイにおけるプラスチック廃棄物の影響顕著に。基準に満たない7種のプラ廃、規制進まず。
- 2024/11/4
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タイでは、プラスチック廃棄物が温室効果ガス排出、生物多様性、公衆衛生に与える影響が問題視されていると、環境正義財団(EJF)の報告書が指摘しています。
この報告によりますと、タイのプラスチック製造に伴う温室効果ガス排出量は年間で最大2,730万トン(二酸化炭素換算)に達しており、これは590万台の自動車が排出する量に相当します。
2019年のタイの二酸化炭素総排出量は3億7,200万トンで、そのうちプラスチック製造による排出量は7.3%を占め、農業部門の15.23%、産業部門の10.28%に次いで3位となっています。
タイは年間900万トンのプラスチックを生産しており、その36%は使い捨ての短命プラスチックで、年間200万トンのプラスチック廃棄物が発生しています。
これはタイプラスチック協会のデータに基づくものです。
また、公共および民間の組織がリサイクルを促進していますが、2018年時点でリサイクルされたポリエチレンテレフタレート(PET)、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)は、わずか17.6%にとどまっています。
報告書は、プラスチックによる汚染が生物多様性と人々の健康に悪影響を及ぼしているとし、2023年9月から2024年にかけてプラスチック工場や倉庫で火災が24件発生していると指摘しています。
特に2024年9月22日にラヨーン県マプタプット工業団地の塩化ビニール(PVC)製造工場で発生した火災では、大量の煙が空気中に放出されました。
環境汚染管理事務所13は、この地域の空気中にかなり高濃度の塩化ビニールが含まれていることを確認しており、発がんリスクが懸念されています。
また、報告書はタイのプラスチック産業が持続可能な生産と消費に関する世界的な規制を満たしていないとし、埋立地の80%のプラスチック廃棄物は流通方法の改革や再利用の推進によって削減できると述べています。
さらに、タイは持続可能性基準を満たさない7種類のプラスチック(酸化分解プラスチック、ボトルキャップフィルム、マイクロビーズ、発泡スチロール箱、プラスチックストロー、厚さ36ミクロン未満のプラスチック袋、厚さ100ミクロン未満のプラスチックカップ)の消費を停止できていません。
これらのうち、法律で生産停止が定められているのは化粧品に含まれるマイクロビーズのみです。
タイの屋台で毎日のように出る大量のプラスチック容器。
これらを止めるには、タイ政府がしっかり法律を作り、規制し、取り締まらなければ、実現不可能です。
それが出来なければ、タイの将来は暗いですね。