「まるで陳腐なドラマだ」タイ国政選挙で第一党となった「前進党」に解党命令。国民の声とどかず。

またもや、タイ国民の声は消し去られました。

2023年のタイ国政選挙で最多の国会議員議席を獲得した第1党の前進党は8月7日、政党法違反の疑いで憲法裁判所から解党を命じられました。

これは選挙公約に、不敬罪の改正(廃止ではない)を掲げていたことから、タイの立憲君主制政府体制を転覆を狙ったものであるとの訴えに、裁判所が呼応したことになります。

裁判所はまた、2021年3月25日から2024年1月31日まで務めた同党執行委員11人の選挙権を剥奪し、今後10年間新たな政党の設立や参加を禁ずる命令を下しました。

前進党(พรรคก้าวไกล、Move Forward Party) は、2014 年 5 月 1 日にルアム パタナ チャート タイ党)(พรรคร่วมพัฒนาชาติไทย)として設立されました。
2019年1月19日にプンルアン党(พรรคผึ้งหลวง)に改名され、同年12月7日に前進党に改名されました。

野党の未来前進党が2020年に選挙資金法違反で解党された後、党員数人が前進党に移籍し、未来前進党を受け継ぐ形になっています。

※この未来前進党の解党も、同党が声高に反軍の立場を表明したことで政敵として潰されたとの見方が有力です。
当時、この判決も当時、内外から厳しい批判にあっています。

2020年3月、党はピター・リムチャルーンラット氏を党首に選出します。

そして、2023年5月のタイ国政選挙では前進党が151議席を獲得し、2位のタイ貢献党を10議席上回る第一党に登りつめています。

しかし2023年7月19日、当時首相候補だったピター氏は、父から受け継いだすでに稼働していない放送局iTVの株式保有を理由に、憲法裁判所から議員職を停止されることとなります。
これは、国会議員候補者はメディア企業の株式を保有してはいけないという法律に違反しているという主張に基づいています。

それによりピター氏は、2023年9月15日に党首を辞任します。
党は9月23日、チャイタワット氏を新党首に、アピチャット氏を書記長に指名しました。

そしてついに2024 年 8 月 7 日、前進党 は、刑法第 112 条 (不敬罪法) を改正する党の選挙運動をめぐって選挙管理委員会が起こした訴訟で、憲法裁判所によって解散を命じられることとなったのです。

何か陳腐なドラマをみせられているようです。
これだけ正義と悪がはっきりしたストーリーではあまりにもつまらなすぎて、フィクションの世界すら描かれないでしょう。

しかし、これは現実なのです。

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