自然回復の道は一朝一夕にならず。しかし破壊は一瞬で。タイのジュゴン個体数が激減で絶命の危機。

人と人との信頼関係に似ています。
自然回復への道は毎日の積み重ねが必要ですが、壊れる時は一瞬です。

タイ南部トラン県のジュゴンの個体数が、昨年の194頭から今年はわずか36頭へと激減し、絶滅の危機に瀕しています。

海洋沿岸資源省の海草発生源調査チームによると、昨年は12組だったジュゴンの親子が今年は1組しか発見されませんでした。

2024年だけでも4頭ものジュゴンが死んでおり、20歳の雄のジュゴンの死骸は一般の個体よりも痩せていたことが判明しています。
解剖の結果、ジュゴンの体には寄生虫、腫瘍、マイクロプラスチックでいっぱいだったことが判明しています。

ジュゴンの個体数の激減は、最大3万ライ(4,800ヘクタール)に及ぶ、海草破壊が原因だと考えられており、それが他の海洋生物の個体数の減少も引き起こしています。

研究者らはまた、海洋生物の激減は地球温暖化のせいだとしており、地球温暖化は海洋生態系に深刻な影響を与えていると主張するものもいます。

海草資源の監視を担当する委員会のメンバー、パクプーム・ウィティラワット氏は、トランではここ3~4年、ジュゴンの数の減少を目の当たりにしてきたと語った。

Seub Nakhasathien財団によりますと、ジュゴンは一生のほとんどを餌場の近くで過ごすことが知られているため、ジュゴンの存在は、海草資源が豊富であることを示しているといいます。

海草の豊富な供給源は、酸素を生成し、海洋生物の餌場や生息地として機能するだけでなく、汚染を緩和し、海岸侵食を防ぐため、海洋生態系にとっても重要な役割を担っています。

タイメディアは触れていませんが、昨年以前と今年でこれほどまで急激にジュゴンの個体数が変化したことは、なりふり構わない観光客の受け入れにも、少なからず起因している者と思われます。
これは外国人観光客だけが悪いということではなく、それに付随して恩恵を受けている者が、油や洗剤などの排水をそのまま海に流し込んだり、ゴミをポイ捨てしたり、ボートで海洋を汚染したりなどすることにも起因しているはずです。

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