タイで類鼻疽感染者が急増中、死亡者も。高齢者・持病のある方・農作業従事者に警戒呼びかけ。

タイ公衆衛生当局によりますと、2025年に入ってから類鼻疽(Melioidosis)の感染者が急増しており、特に高齢者や慢性疾患を持つ方、農業従事者に注意が呼びかけられています。

ナコンラチャシーマー県を拠点とする第9疾病管理センターによりますと、1月から5月19日までに147件の感染と5名の死亡例が確認されています。

地域別の感染状況(2025年1月〜5月19日)

・ブリーラム県:61件(死亡1件)
・スリン県:37件
・ナコンラチャシーマ県:33件(死亡1件)
・チャイヤプーム県:16件(死亡3件)

患者の大多数は高齢者で、特に65歳以上が最も多く、次いで55~64歳、45~54歳の順となっています。
職業別では、稲作や農作業に従事する人々に集中しています。

類鼻疽とは?

類鼻疽は「バークホルデリア・シュードマレイ(Burkholderia pseudomallei)」という細菌が原因で、タイでは水田やゴム園などの土壌・水中に自然に存在しています。

感染経路は、以下の3つだと言われています。

①皮膚からの接触感染:汚染された土や水に傷口が触れることで感染。
②経口感染:汚染された水や食品の摂取。水を誤って吸引した場合もリスクあり。
③吸入感染:汚染土壌から発生する粉塵を吸い込むことで感染。

感染後、1〜21日以内に発症することが多いですが、体内で潜伏し、数年後に発症することもあります。

症状と注意すべき人

症状は他の感染症と似ており、発熱、皮膚の膿瘍、呼吸器症状、内臓への感染など多様で、重症化すると命に関わる場合もあります。

特に以下の疾患を持つ方はリスクが高く、重症化しやすいため注意が必要です。

・糖尿病
・腎臓病
・サラセミア(遺伝性貧血)
・免疫不全

感染予防のための注意点(Dr.タウィーチャイ氏より)

・泥水・洪水への接触を避ける
・必要な場合はゴム長靴、手袋、長ズボンを着用
・傷がある場合は防水絆創膏でしっかり保護
・作業後はすぐにシャワーを浴びる
・安全な飲料水(煮沸または浄水済み)を飲む

また、急な高熱、頭痛、筋肉痛などが現れた場合はすぐに医療機関を受診して下さい。

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