日本のODAが築いたタイの近代化。それでもタイ政府は中国へと傾倒。これでいいのか、日本外交!

日本人はもっと知るべきです。
過去70年間にわたる日本のタイへの政府開発援助(ODA)を。

これまでに、日本は12,000人の技術専門家と1,100人のボランティアをタイに派遣し、タイは33,000人の技術研修生を日本に送ってきました。

特に過去20年余りでは、日本の円借款(低利融資)を活用したインフラプロジェクトが進行し、2006年のスワンナプーム国際空港や2004年のMRTブルーラインの完成を可能にしました。
また、バンコクおよび近郊のチャオプラヤ川に架かる20の橋のうち14か所も日本の支援で建設されました。

これらのプロジェクトは、タイおよびバンコクのインフラを飛躍的に向上させてきました。

今日のタイと日本のODA

現在、タイは世界的な観光地となり、バンコクの交通網は拡張を続けています。
これにより、周辺地域での新たな都市開発、交通渋滞の緩和(?)、経済の拡大、そして住民の生活向上が実現されています。

11月20日、バンコクの日本大使館はタイでのODA開始70周年を記念し、タイの報道陣を招いて日本の支援の成果を紹介しました。
その際、現在進行中の2つのプロジェクトが取り上げられ、タイ社会が直面する課題が浮き彫りになりました。

MRTパープルラインの視察

まず視察したのは、2016年に完成したMRTパープルライン。
これは日本の円借款と技術協力によるもので、バンコクのタオプーン駅とノンタブリー県のバーンヤイ駅を結ぶ全長33kmの路線です。

このプロジェクトの総投資額は637億バーツで、返済期間は25年、据え置き期間は7年、金利は1.4%となっています。
現在、1日平均72,823人が利用しており、通勤者がバンコクから郊外へと生活を広げる可能性を提供しています。
しかし、運賃をどのように維持するかが課題となっています。

現在は政府の介入により1回20バーツですが、通常は全線で42バーツであり、最低賃金350バーツのタイでは高額な乗り物となっています。

日本のODAはパープルラインにおいても日本の技術が活用され、例えば東芝製の車両や日本の駅モデルが採用されています。

さらにバンコク郊外のモンクット王工科大学トンブリー校(KMUTT)を訪れ、ODAによる教育支援の成果を視察しました。
特に注目されたのは、優秀な学生向けの5年制エンジニアリングおよびバイオロジーのプログラム「KOSEN KMUTT」です。
このプログラムは円借款で実現し、日本の専門家による技術協力も提供されています。

このプログラムは、選抜試験に合格した優秀な中学生が対象で、日本の大学や高専で学ぶ機会も提供されます。
しかし、参加学生の多くが上位中流層出身で、貧困層の優秀な学生が取り残されている現状が課題として指摘されました。

日本とタイの将来の協力

日本のODAは引き続き、障がい者支援や高齢化社会への適応、PM2.5問題の研究など、多方面でタイを支援しています。1970年代に「経済植民地化」の懸念があった時代とは異なり、現在では日本への信頼感が強まり、中国に対する懸念が台頭しています。

市民は懸念していますが、政府はどっぷりと中国へ傾倒していますね。

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