タイ世論調査、ぺトンタン首相の支持率が1位に。ただし政党別では国民党が1位。そこには数字のマジックが…。

ニダ世論調査によると、ぺトンタン首相の支持率が31.35%に達し、22.90%を獲得した野党国民党のナタポン党首を上回りました。

今回の世論調査は9月16日から23日まで、全国の18歳以上の2,000人を対象に電話インタビューを実施し、その結果を9月29日に発表しました。

ちなみに首相になる前、ぺトンタン氏の支持率は最初の調査では6%、2回目の調査でも4.85%でした。

「現在、誰を首相として支持するか」との質問に対するトップ5の回答は次の通りです。

  • 31.35%:ぺトンタン
  • 23.50%:適切な候補者はいない
  • 22.90%:ナタポン
  • 8.65%:ピラパン(統一タイ国家党党首)
  • 4.80%:クンイン・スダラット(タイ・サン・タイ党党首)

「もし今選挙が行われたら、どの政党を支持するか」という質問に対するトップ5の回答は次の通りです:

  • 34.25%: 国民党
  • 27.15%: タイ貢献党
  • 15.10%: 適切な政党はない
  • 9.95%: 統一タイ国家党
  • 4.40%: 民主党

 

総評:ぺトンタン氏は最新の調査で最も人気のある首相候補となったものの、政党別では、主要野党の国民党(旧前進党の後釜)が最も人気が高く、ぺトンタン現政権のタイ貢献党を大きく付けはなし2位でした。
実はぺトンタン氏が1位にはなりましたが、これは以前にはなかった「適切な候補者がいない」という項目にかなりの人が流れたことによるものでした。

冷静に数字をみればそのことが明確になってきます。
8月に政争によって議員停職処分となった前回の人気投票1位のピター氏は47%も得票しており、今回のぺトンタン氏の31%を大きく上まわっています。
これは、2位の「適切な候補者がいない」と3位のナタポン氏を足すと約46%ですので、ピター氏を支持していた層が今回割れたことを意味します。

ようするに現在の国民党(前進党の後継党)党首ナタポン氏にまだ実績とカリスマ性が示されていないので、ピター氏に入れていた層が割れ、その分ぺトンタン氏が1位におし上げられただけのようです。
それを示すように、政党別では、依然タイ貢献党の信用度は低いままとなっています。
そして、国民の「変革」を望む声は、以前と全く変わらないということでもあります。

タイのニュースは特に、言葉尻に踊らされてはいけません。

タイ最新世論調査。依然として国民に圧倒的人気「ピター氏」と「前進党」。セター現首相4位。

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