過渡期を迎えるタイ自動車業界。残業なし、労働時間減少。コロナ過より悪化。

タイの自動車業界は、過渡期を迎えているようです。

国家経済社会開発評議会(NESDC)は、産業部門の雇用と労働時間が第1四半期から減少していると報告しています。
具体的には、1人当たりの週の平均労働時間45.76時間から45.31時間に減少し、前年同期比1%の減少となっています。

自動車部品セクターが最も大きな打撃を受けており、売上高は30%減少、残業時間は削減、週の労働時間は3日に短縮され、下請け費用や固定費用が削減されていると報告されています。

労働時間の減少は、2024年上半期に667の工場が閉鎖され、17,674人の労働者に影響を与えたという工業労働局の報告書と一致しており、この数字は新型コロナウイルス過中よりも多くなっています。

また、タイ経済は政府の予算政策、景気刺激策、ハイシーズン中の観光セクターによって2024年第4四半期には回復するという楽観的な見方もありますが、状況が好転する前にさらに悪化する可能性も十分にあるとタイの有識者は分析しています。

タイ工業連盟(FTI)会長は、ホンダによるアユタヤからプラチンブリへの生産ラインの統合を例に挙げ、工場の労働時間が減少する可能性が高いことを認めています。

「工場閉鎖は中小企業のサプライチェーンに影響を与え、多数の小規模工場の閉鎖につながる可能性があります。
昨年は中規模および大規模の工場が閉鎖されましたが、今年最も懸念されているのは中小企業です」と同会長は述べています。

売上が30%減少すれば、従業員を30%削減することでバランスをとることを意味します。

製造業に携わる企業も打撃を受けています。
生産量が多い場合はより多くの労働時間と労働力が必要となり、注文が少ない場合は労働時間の短縮につながります。
全体としては10~15%程度の調整で、企業は時間外労働のバランスをとっているが、現在は時間外労働(残業)はゼロとなっています。

自動車部品メーカーの7~8割は中小企業です。
したがって、中小企業は財務、特に運転資金を適切に管理する必要があります。
しかし、多くの中小企業は高度な財務管理スキルを欠いており、これは大きな懸念事項となっているとタイ工業連盟の事務局長は述べています。

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