【超高齢化社会】現代のタイ社会が抱える深刻な問題。ソンクラーンで敬うべき高齢者の悲惨な現状。

パリピの人たちにとってのソンクラーン祭りは、水をかけあって乱痴気騒ぎをするだけのイベントと思いがちですが、本来は仏像や仏塔、年長者に水をかけてお清めをするという厳かな物でした。
一方で、本来敬うべき年長者は毎年、支援やセーフティネットもなく生きるために困難を極め、悲惨な状況にある高齢者のタイ人の数が増え続けています。

2021年の調査では、60 歳から 69 歳までのタイ人の半数が、生活のために現役で働いていることが明らかになりました。
彼らのほとんどは、農家、ベンダー、タクシー運転手、配達員、または雑用をしています。

タイ老年学研究開発研究所(TGRI)は、次のように述べています。

現在、タイ王国 6,670 万人の人口の 20% 以上が 60 歳以上です。
タイでは、60 歳を超える人は高齢者として識別されます。
市民が 60 歳に達すると、毎月 600 バーツ(約2400円)の補助金を国から受ける資格があります。
補助金は 10 年ごとに引き上げられ、90 歳以上の人は毎月 1,000 バーツ(約4000円)の支払いを受けることができます。

タイの高齢者全員がこの財政援助を受ける資格がありますが、生活費を賄うには全く十分ではありません。
そして現在では全てのものがインフレ状態にあるため、現金不足の高齢者はさらに困難に陥っています。

多くのタイ人は、加齢に伴う健康上の問題に苦しんでいても、貯蓄がないため、定年後も働き続けることを余儀なくされています。
ただし、就職先は限られています。

高齢化社会は日本でも深刻ですが、タイの高齢化社会はさらに深刻の度合いが顕著です。
しかも年金のようなものがわずか月600バーツ、一日20バーツ(約80円)では一食分も賄えません。
人は誰でも「老い」から逃れる術はありません。
悲惨な老後を迎えている人たちの姿は、決して他人ごとではないです。

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