一風変わった春節行事、330人分の墓地の前で映画上映。61年続くタイ・ピチット県の伝統行事。

春節(旧正月)の初日にあたる2月17日夜、タイ中部ピチット県の墓地で、祖先の霊に向けて野外映画を上映する恒例行事が行われた。
主催したのはピチット・サマッキー慈善財団で、今年で61回目を迎える。

会場はワット・ムーンレックに隣接する同財団管理の墓地。
敷地内には中国系タイ人の祖先が眠る約330基の墓が並び、毎年春節期間中に映画を上映して霊をもてなすという独特の風習が続いている。

中国系タイ人社会では、この時期は“あの世の門が開き、霊が子孫のもとへ戻る”と信じられており、供養の一環として娯楽を捧げる習わしがある。
今年はタイ映画2本、中国映画1本、洋画1本の計4作品をデジタル上映した。
静まり返った墓地に映像と音声が響く、幻想的な光景が広がった。

2026年は「金の午年」(庚午)にあたることから、例年以上に盛大に実施したという。
土地の神や祖先に捧げるため、計10万発の爆竹が奉納され、墓地内も全面改修と照明整備が行われた。

当日は親族らが訪れ、簡易屋台も並ぶなど、どこか温かみのある雰囲気も漂った。
一方で、主催者によると、上映中に中国風の服装をした高齢男性から上映作品を尋ねられ、振り返ると姿が消えていたという“不思議な出来事”もあったという。

同財団関係者は「長年続く祖先への感謝と敬意の表れ。これからも伝統を守りたい」と話している。

関連記事

最新記事

月間人気記事TOP10

ページ上部へ戻る