「夢のタワマン」君は生きのびることができるか?! バンコク、設備万全の高層コンド火災で医師が死亡。

不動産の仕事をしていると割と多いご要望の中に「タワマンに住むのが夢だったんです」というのがあります。
しかし、本当にタワマンは住むのに適した物件なのでしょうか。

10月9日、バンコクのピンクラオ地区、パタデパート向かいの38階建てコンドミニアムで発生した火災では、1人の医師が死亡しています。
医師は、避難階段で煙を吸ったために死亡してしまいました。

この建物には、火災警報システム(Fire Alarm)や加圧送風機(Pressurized Fan)などが完備されており、設備としては万全だったと言います。
しかし、それでも居住者の命を救うことはできませんでした。

報告によれば、避難用ドアが以前に開けっ放しになっていた可能性があり、それが原因で煙が階段室に逆流したとも言われています。
安全のためのシステムが「死の煙突」と化してしまったというのです。
火災による死亡原因の90%以上は「窒息」だとされています。

亡くなった医師は正しい避難行動を取っていましたが、安全であるはずの非常階段で命を落としました。
この悲劇を繰り返さないために、「医療コミュニティ」は以下の4つの政策提言を行いました。

非常階段を「命の行き止まり」にしないための4つの提言

・安全システムの定期点検
 高層ビルすべてに、加圧送風機・防火ドア・火災警報器の6か月ごとの点検を義務化。
 点検結果は建設省のウェブサイトで公開し、誰でも確認できるようにする。

・管理者の法的責任強化
 建物管理者や法人が防火システムの管理を怠り、死傷事故を招いた場合は「過失致死」として刑事責任を問う。

・通報プラットフォーム「FireCheck」創設
 市民が「非常ドアが開けっぱなし」「加圧送風機が作動していない」などを、オンラインで通報できる仕組みを設置。
 各地区に緊急調査チームを置き、48時間以内に対応。

・「建物安全台帳」への統合
 全国の建物に関する防火・避難情報をデータベース化し、建物入口のQRコードから誰でも確認できるようにする。

タイでは「責任」という言葉から非常に逃げたがる傾向にあります。
非常に素晴らしい提案をする人はたくさんいるのですが、いろいろと義務化しても監査機関などが機能せず、結局は性善説頼り。
これでは、どんな適格な提案も「絵に描いた餅」です。

そのような状況で「タワマン」に住んで、君は生きのびることができるか?!

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