タイ副首相の「電車1日40バーツ」構想の実態。選挙前に浮上した実現性に乏しい政策とその矛盾。

1月6日、ピパット副首相兼運輸相は、電車運賃を「1日40バーツ」に抑える政策推進について説明した。

この構想は、単に全路線を一律料金にするものではなく、共通乗車カード制度の整備や、将来的な鉄道事業の国による一元的な保有(シングルオーナーシップ)と併せて検討する必要があると述べた。

同氏によると、現在の電車運営は、国、バンコク都、民間企業など複数の事業者が関与しており、BTS(バンコク大量輸送システム社)やBEM(バンコク・エクスプレスウェイ・アンド・メトロ社)などがそれぞれ運営しているため、全路線共通の定額運賃を導入するのは困難な状況にある。
そのため政府は、既存のコンセッション(運営権)を買い戻し、タイ大量輸送機関(MRTA)が路線網を保有する形にすることで、運賃を統一的に管理できる体制を目指しているという。

また、コンセッション買い戻しのための資金調達については、国家の公的債務上限に影響を与えないよう、2つの方法を想定している。
1つ目は、インフラファンドを設立して証券市場から資金を集め、TFF(タイ・フューチャー・ファンド)に類似した仕組みで電車事業を買い戻す方法で、投資家に配当を還元できるよう、適切な運営計画が必要だとしている。
2つ目は、新たな長期コンセッションモデルで、例えば30年契約を民間に与え、民間が金融機関から資金調達を行う方式で、国は保証を行わず、後に運行費用や返済を契約に基づいて支払う形となる。

40バーツ政策では、全路線共通で利用できるEMV方式の共通カードを導入するが、「1日乗り放題」という意味ではない。海外と同様に「ゾーン制」を採用し、移動距離やエリアに応じて運賃を設定する。
例えば、一定のゾーン内、または限られたゾーン間の移動であれば1日の上限が40バーツとなるが、より多くのゾーンを越える場合は追加料金が発生する可能性がある。
この方式により、政府が長期的に過度な補助金負担を抱えるリスクを避けられるとしている。

さらに運輸省は、公共交通ネットワーク全体の強化を進めており、電車を中核とし、バスが住宅地や路地から駅までを結ぶフィーダー交通の役割を担う構想を示した。
将来的には、電車とバスを1枚の共通カードで利用できるようにする方針だ。

この40バーツ運賃政策については、運輸省が財務省と連携し、共通カード制度、1日運賃の設定、ゾーン区分の詳細を検討中だが、2025年12月の下院解散により作業は一時的に遅れている。
ただし本政策は継続案件であり、国民から再び政権運営の機会を得られれば、新内閣発足後3か月以内に閣議へ提出し、実現に向けて加速させる考えを示した。

いやあ、もうツッコミどころ満載で、ただの詭弁でしかないことがこの報道を見てもわかりますね。
先ず資金調達、これもムリゲー。
タイ証券市場など今、どん底中のどんぞこなのに、誰が資金をくべるというのか?
基本的に鉄道運営は赤字続きなのに、配当など見込めない。
民間ならなおさらだ。
政府が膨大な赤字を補助し、配当まで面倒みる必要がでてくる。
もちろん政府がやるということは、すべて税金でということだ。
40バーツというのも、一律ではなく追加料金がかかるというのであれば、結局今の料金体系に合わせた形に設定することも可能なわけだ。

そもそも2月8日に選挙を控えているのに、ピパット氏が今の地位にそのままいるとは考えづらい。
ただただ選挙対策の「大ボラ」でしかないことを見誤ってはいけない。

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