タイ、セクハラ定義を大幅拡大! 言動やオンライン行為も処罰対象に。

タイではまだまだ個人の権利や平等への意識が低いと言わざるを得ません。
社会的、または企業内の権力者に対し、一般市民が抗うことは非常に難しいものがありました。
(パワハラ天国)

しかし、SNSの発達のおかげか、少しづつ変わる部分もあります。
性的嫌がらせ(セクシュアル・ハラスメント)はもはや他人事でも、冗談で済ませられるものではなくなってきています。
この度、王室官報に新法が公布され、違反者への取り締まりが一段と強化されるようになりました。

以下は、知っておくべき主なポイントと新たな罰則の概要になります。

■「セクハラ」の定義が大幅に拡大

2025年12月30日に施行されたタイ刑法改正により、現代社会の実態を反映した形で定義が拡張されました。
性的嫌がらせは、必ずしも身体的接触を伴う必要はありません。

以下の行為も含まれます。

  • 言葉による行為(卑猥な言葉をかける、身体に関する発言)
  • ジェスチャー(じろじろ見る、口笛を吹く)
  • ストーカー行為(つきまとい、執拗な嫌がらせ)
  • コンピューターシステムを通じた行為(チャットメッセージ、コメント)

これらが性的な性質を持ち、相手に苦痛、不快感、屈辱感、恐怖、不安を与えた場合、即座に犯罪となる可能性があります。

■新法でセクハラに該当し得る5つの行為

刑事責任を問われる可能性がある行為には、以下が含まれます。

・言葉による嫌がらせ

 性的な発言、身体へのコメント、不要な性的質問

・ジェスチャーによる嫌がらせ

 いやらしい視線、口笛、キス音など

・オンライン上の嫌がらせ(サイバーセクハラ)

 わいせつなメッセージや画像の送信、公の投稿への嫌がらせコメント

・身体的嫌がらせ

 同意のない接触や抱きつき

・権力関係を利用した嫌がらせ

 上司が部下に性的関係を強要するなどの行為

新たな罰則:より重い刑罰と高額罰金

2025年12月30日施行の本改正の大きな特徴は、行為の重さに応じた段階的な罰則です。

・一般的なセクハラ(わいせつ行為に至らないが苦痛や不快感を与える場合)

 → 懲役1年以下、または罰金2万バーツ以下、またはその両方

・常習・日常生活を妨げる行為

 → 懲役2年以下、または罰金4万バーツ以下、またはその両方

・公然・オンラインでの辱め行為

(公衆の面前、またはSNSやチャットなどを通じた行為)

 → 懲役3年以下、または罰金6万バーツ以下、またはその両方

・権限を持つ立場の加害行為

(雇用主、上司、教師、保護者など)

 → 懲役3年以下、または罰金6万バーツ以下、またはその両方

・児童への加害(15歳以下)

 → 懲役5年以下、または罰金10万バーツ以下、またはその両方

■嫌がらせを受けた場合の対応

・同意しない意思を明確に示す(即座に拒否)
・証拠を保全する(チャットのスクリーンショット、音声、動画)
・警察に届け出る(証拠を持参。新法により明確な刑事罰が規定)

この法律は、性別を問わずすべての人の尊厳を守るための強力な措置です。
何かを書いたり、口にしたりする前に、よく考えてください。軽い「冗談」のつもりが、刑事事件に発展する可能性があります。

タイではパワハラが異常に横行しているので、そちらもお願いします。

 

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