ミャンマー犯罪拠点「シュエコッコ開発」で悪名高い中国人佘智江、タイから中国に送還。

11月12日、タイ当局は、200以上の違法オンライン賭博サイトを運営した疑いで中国に指名手配されていた中国人の佘智(She Zhijiang)容疑者を、中国へ送還したと発表した。

バンコクの控訴裁判所は11月10日、中国警察が2014年に発行した逮捕状に基づき、佘智江容疑者を中国へ引き渡す決定を下した。
逮捕から実に3年以上の拘束を経ての送還となった。

中国の最重要指名手配者

タイ中央捜査局(CIB)によると、「中国当局は最優先で身柄引き渡しを求めており、タイ政府は協力した。中国は今後、タイとの連携を強化し、詐欺拠点の摘発を加速させると約束している」と述べた。

佘智江容疑者(推定43歳)は中国出身だが、2017年にカンボジア国籍を取得し、東南アジア各地で活動していた。

特に、タイ国境に近いミャンマーのシュエコッコ地区で開発した大型複合施設で知られるが、この地域は近年、オンライン詐欺や人身売買の拠点として「犯罪の巣窟」とも言われている。

米英両国からも制裁対象に

アメリカとイギリス両政府は、佘智江容疑者の犯罪行為への関与を理由に制裁を科している。

国連薬物犯罪事務所(UNODC)の2024年報告書によると、「佘智江容疑者は東南アジア各地、とくにカンボジア、ミャンマー、タイ、フィリピンで不動産、建設、娯楽、ブロックチェーン技術などに関する広範な事業ポートフォリオを持つ」と指摘している。

犯罪温床化する東南アジア

コロナ禍以降、東南アジアでは法執行が弱い国を中心にサイバー犯罪が急増しており、とくにカンボジアやミャンマーのカジノが、詐欺や違法オンライン賭博の拠点となっていると言われている。

会社側は無実を主張

佘智江容疑者が関係する開発会社「ヤタイ・ニューシティ(亜太国際控股集団)」の広報担当者は、「佘智江氏は確かに賭博業に関与していたが、各国の法令に基づき正式にライセンスを取得しており、違法な秘密事業ではない。彼の役割は純粋に開発業者としてのものだった」とコメントしている。

関連記事

最新記事

月間人気記事TOP10

ページ上部へ戻る