変わらぬ汚職体質?! タイ国際航空、約4億ドルの中古機リース案で社内対立。再建直後から高額投資要求。

タイ国際航空は、中古のエアバスA330-200型機をリースする計画をめぐり、社内で大きな論争に直面しています。

この計画は、総額4億ドルを超える費用がかかる見通しです。

背景:再建計画終了からわずか数か月後に浮上

タイ国際航空は2025年6月、裁判所の監督下にあった事業再生計画を完了したばかり。

しかしその直後、経営陣がこのA330リース案を複数回にわたって取締役会に提出しました。

内部関係者によると、A330導入の動きは2025年4月、当時の再建計画管財人ピヤスワス氏の在任中に始まったとされています。

A330は、ボーイング777型機の納入遅延(2027年まで延期見込み)を補う「一時的な代替機」として提案されました。

しかし、この提案は取締役会によって少なくとも3回にわたり否決されています。

取締役会の懸念点

取締役会は、次の2点を主な理由として慎重な姿勢を示しています。

・運航上の適合性
・財務的な妥当性

経営陣は、①新型ボーイング787および777の納入遅延への対応、②ロールス・ロイス製Trent 1000エンジンの部品不足による一部機体の運航停止リスクの緩和、という2点をリースの目的として主張しています。

しかし反対派の主張は…

一方反対する取締役は、次の点を指摘しています。

・A330の航続距離は約7時間であり、長距離便用のボーイング777(10時間以上飛行可能)の直接的な代替にはならない。
・A330は旧式のアルミ機体構造を採用しており、燃費が悪く重量も重い。
・エンジンも旧型で、燃料費が運航費全体の約30%を占める現状ではコスト増につながる。
・タイ国際航空は、すでにA330の退役を2030年までに完了予定であり、再導入は戦略に反する。
・再建計画後の戦略では「機材を4種類(777・787・A350・A321)に統一」する方針を掲げており、A330導入はこの合理化方針に真っ向から反する。

取締役の一部は、より新しいボーイング787型機などの軽量・省燃費機材の導入を検討すべきだと提案しています。

計画の詳細とコスト構造

このリース案では、平均8年使用された中古機を導入する予定で、総費用は約132億バーツ(約4億ドル)。

その内訳は以下の通りです。
・リース料: 約260億バーツ相当
・改修・内装リニューアルおよび予備エンジン費: 約1億4,000万ドル

準国営企業とも言われるタイ国際航空。
まだまだ汚職と腐敗の体質は、抜けきっていないようです。

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