唐辛子がタイ料理にもたらした味覚革命! 古(いにしえ)のタイ料理は全く辛くなかった!

タイ料理と聞いて、まず思い浮かぶのは「激辛料理」というワードではないでしょうか。
辛さで舌がピリッとするソムタムから、体を温めるグリーンカレーのスパイスまで、タイ料理は世界的にチリ(唐辛子)の使用の多様さで知られています。

しかしこの辛さは、昔からタイ料理にあったわけではないことをご存じでしょうか。

長い間、伝統的なタイ料理は比較的マイルドで、味付けの中心は塩に頼ることが多く、今のような「激辛」は、タイの食文化史の中では比較的最近の習慣でした。

『Plants in Thai History(2005年)』の著者スリープミポム博士によりますと、チリがタイに伝わったのはおよそ400年前で、それ以来タイの料理や食文化は大きく変化しました。

タイ料理進化の辛い秘密

興味深いことに、チリはアジア原産ではなく、メキシコで栽培されていた植物でした。
何千年も前から現地の食生活に欠かせない食材となっています。

アメリカ大陸とアジアを結ぶ交易や探検のルートが開かれて初めて、この刺激的な食材はタイへ渡りました。
一度伝わると、チリは瞬く間に人気を集め、タイの味覚に新たな次元を加えます。

チリが来る前のタイ料理は、現代の私たちの感覚からすると意外と淡泊なものだったと言います。

料理人たちは塩や他のハーブで味付けをしていましたが、現代の味覚からすると控えめな印象を受けるでしょう。

チリの登場によって、タイに単なる辛さ以上の効果がもたらされました。
素材本来の味を引き立てるだけでなく、甘味・酸味・塩味・苦味をピリッとした辛さでバランスよく組み合わせられるようになったのです。

タイ料理進化の辛い秘密

辛い食べ物の需要が高まるにつれ、チリの栽培はアジア全域に広がりました。
その後、タイは最終的に世界有数のチリ生産国となり、家庭やレストランの欠かせない食材となりました。

 

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