中国人観光客激減で揺れるバンコクのホテル市場。下半期の行方は?

2025年前半のバンコクのホテル市場は低迷し、稼働率は前年同期比3.7ポイント減の75.1%、平均客室単価(ADR)はわずかに上昇して4,260バーツとなった。
中国人観光客の減少(前年同期比約35%減)が、中価格帯ホテルや団体旅行依存型ホテルに大きな影響を与えた。

下半期は3,283室以上の新規客室の開業が控えており、2025年通年では5,100室以上の増加となる見込みで、COVID-19以降で最も急速な成長となる。
国内観光促進策として「ティアオタイ コンラクルン」や新たな税制優遇も導入されているが、外国人観光客減少の影響を十分に補えていない。

インド(14.6%増)やロシア(11.1%増)、ASEAN市場からの穏やかな成長はあるものの、中国・韓国からの減少を補うには不十分となっている。
下半期のRevPAR(Revenue Per Available Room)は主に観光客数によって支えられ、11~12月の繁忙期やMICE(セミナーなど)需要が収益を押し上げると予想される。
一方、中価格帯ホテルでは新規参入による競争でADRの上昇は限定的で、ブランド力や立地が重要な要素となる。
高級ホテルは地域の高所得者や長距離旅行者が需要を支え、シンガポールや香港に比べた価格優位性が観光客誘致の要因となる可能性がある。

2025年前半、バンコクは約1,550万人の外国人観光客を迎え、前年同期比0.6%増となったが、2019年のピークには11.3%届かず、旅行パターンの変化が影響している。

新規ホテルの開業は7軒・1,906室で、グランドセンターポイント・ルンピニやフォーポインツ・バイ・シェラトンなどが含まれる。
下半期にはさらに12軒・3,283室の開業が予定され、競争が激化する見込みである。

2025年前8か月の外国人観光客、主要10か国市場は以下の通りです。

  1. 中国:3,096,017人

  2. マレーシア:3,049,961人

  3. インド:1,563,806人

  4. ロシア:1,195,430人

  5. 韓国:1,036,361人

  6. 日本:712,158人

  7. イギリス:708,929人

  8. アメリカ:692,212人

  9. 台湾:672,067人

  10. ラオス:630,051人

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