「微笑みの国」微笑みの裏に隠されたタイ人の本音とは? 「グレンジャイ」の意味を知る。

タイは「微笑みの国」として世界的に知られており、訪れる人々はタイ人を親切で礼儀正しいと感じることが多いかもしれません。
しかし、その温かい外見の奥には、「グレンジャイ(เกรงใจ)」という、タイ文化に深く根ざした価値観があります。

■ 「グレンジャイ」とは?

この言葉には英語にも日本語にも完全に一致する訳語がないのが特徴で、あえて訳すとすれば「遠慮・配慮・気遣い・控えめさ」などの要素が組み合わさった言葉だと言われています。

単なる礼儀正しさではなく、「相手に迷惑をかけたくない、恥をかかせたくない」という心の姿勢や思考様式を指します。

■ 日常に潜むグレンジャイの例

たとえばタイ人は、本当は何かを受け取りたい気持ちがあっても、遠慮して断ることがあります。
あるいは、不公平に感じてもその場を丸く収めるために笑顔で受け入れることもあります。

このような態度は、波風を立てずに調和を保つというタイ文化の特徴でもあります。

■ 誤解されやすい文化的背景

タイに不慣れな外国人から見ると、このような行動は内向的・受け身と捉えられることもありますが、実際には相手への敬意や自己抑制の現れです。

「相手の立場や気持ちを慮る」「衝突を避ける」「人間関係を壊さない」ことが、グレンジャイの本質です。

■ クレンジャイを理解することの重要性

タイ社会で信頼関係や深いつながりを築くには、このグレンジャイの感覚を理解することが不可欠です。

相手が本音を控えている可能性に気づき、行間を読み、より丁寧で思いやりある対応が求められます。

次にタイ人の友人が「大丈夫、気にしないで」と言ったときは、本心からの言葉か、それともグレンジャイからの配慮かを、一度考え直してみて下さい。

逆に相手が「グレンチャイ」してこないと感じた場合、猛烈に逆上してくることがありますので、ご注意を。

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