『Suki Teenoi』台頭「タイスキ戦争」勃発! 老舗MKレストランも低価格戦略で対抗も苦戦必至か?!

タイの「タイスキ」レストラン市場で、大手チェーンのMKが苦戦する一方、低価格食べ放題で急成長中の新興ブランド『Suki Teenoi(スキ ティノイ)』が、2024年に前年比34%増の売上70.8億バーツを達成し、大きな注目を集めています。

2018年創業、わずか6年で純利益11.7億バーツという快挙を成し遂げ、ついに「10億バーツ」入りを果たしました。

老舗MKに迫る新興勢力

長年タイスキ業界をリードしてきたMKは、市場全体230億バーツのうち60%のシェアを維持していますが、価格に敏感な中間層をターゲットとする新興勢力の台頭により、圧力が強まっています。

これに対しMKは、SNSバイラルキャンペーンや299バーツの食べ放題、レトルト商品の展開などで価格競争に対応しましたが、成果は限定的でした。

2024年の売上は137.8億バーツ、純利益は17.7億バーツと高水準ではあるものの、運営上の課題が続いています。

店舗ごとの利益に差

店舗単位で見ると、MKの448店舗では1店舗あたり年間約390万バーツの利益である一方、Suki Teenoiは82店舗で1店舗あたり約1,400万バーツの利益を上げており、収益性は4倍近い差があると言われています。

この背景には、MKの出店場所がショッピングモールであることによる高コスト体質や、従業員数2.5万人という大規模な運営体制が影響していると言われています。

一方、Suki Teenoiは路面店舗での営業と深夜5時までという、タイでは珍しい長時間営業により、低コスト・高回転を実現しています。

ダークホース『Lucky Suki』も急成長

競争をさらに激化させているのが、レストラン経験ゼロの4人で立ち上げられた『Lucky Suki』。
赤いブランドカラーが特徴で、2022年の売上7,900万バーツから、2024年には10億バーツ超へと12倍以上に急伸。

2025年に売上20億バーツ、店舗数40店を目指すと明言しています。

消費者ニーズの変化が鍵に

この「タイスキ戦争」は、タイ中間層の消費スタイルの変化を反映しています。
Suki Teenoiの成功の鍵は、飲み物・税金込みで約276バーツという価格設定と、品質を維持しながらの低価格提供にあります。

また、Shopeeとの「あと払い」サービス連携など、デジタルネイティブ層の消費傾向を的確に捉えたマーケティング戦略も功を奏しています。

既存ブランドの反撃

業界では、古参ブランドも巻き返しを図っています。

・Neo Suki:2008年創業、第二世代による経営で2024年は売上2.8億バーツ、純利益450万バーツ(22店舗)
・You&I:高級路線を打ち出すが、売上4.76億バーツにも関わらず赤字が継続

今後もSuki Teenoiの10億バーツから100億バーツ規模への躍進が注目されており、タイの外食業界において「価格と手軽さ」が従来のブランド力や立地戦略に優る新たな時代が到来していると専門家は分析しています。

関連記事

最新記事

月間人気記事TOP10

ページ上部へ戻る