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タイ世論調査、「政治にうんざり」82%、「騙されたと感じる」75%、タイ国民の怒りと失望が明らかに。
- 2025/5/26
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5月25日、スーパー・ポール研究所所長のナポン博士は、「政治にうんざり、裏切られたように感じる」というテーマで、5月20日から24日にかけて全国のあらゆる職業層を対象に行った世論調査(サンプル数1,024名)の結果を発表しました。
調査によりますと、81.9%の人々が「政治にうんざりしている」と回答。
これは、過去の政治家と変わらない行動が繰り返されているという認識によるもので、「政治への信頼の危機」を反映しています。政治への幻滅が過去数年で最も深刻な水準に達していることが浮き彫りになりました。
また、「騙され続けているように感じる」人が75.4%、「選挙では何も変わらない」と感じている人が68.8%でした。
これは、政治が真の変化をもたらす手段ではなくなっているという国民の認識、いわば「民主主義疲労症候群(Democratic Fatigue Syndrome)」の表れだと言います。
ナポン所長によれば、さらに注目すべきは以下のような結果です。
・「政治とは利益の奪い合いだ」と答えた人:63.7%
・「政治家に利用されている」と感じる人:62.2%
・「政治に明るい未来が見えない」人:54.7%
これらは、政治が支配層(エリート)によって独占されており、一般市民はただ選挙の道具として扱われているという感覚(エリート・キャプチャ)を反映しています。
国民の期待は「倫理的政治(Ethical Politics)」
調査では、82.7%が「政治家は言ったことを実行してほしい」と回答。
これは、政治における説明責任を強く求めていることを示しています。
また、以下のような結果も出ています。
・80.6%:「目に見える実績が欲しい」(結果志向のガバナンスを支持)
・74.1%:「透明性があり、監視可能で、汚職がない政治を求める」
・59.1%:「国民にもっと誠実であってほしい」
・54.8%:「若者に参画の機会を与え、国民が問題解決に関われるようにすべき」
特に「若者に政治参加の場を開くべき」との意見(54.8%)は、世代交代的な政治変革を求める声であり、若者や市民社会の積極的な関与を可能にする開かれた政治システムを国民が望んでいることが分かります。
「政治家も官僚も同じ」と見る国民、信頼の空白が平等に存在
「政治家と官僚は同じくらい信用できない」とする回答は42.8%にのぼり、両者に対する信頼欠如が等しく存在していることが判明しています。
・「官僚の方がまし」:17.9%
・「政治家の方がまし」:15.6%
・「意見なし」:23.7%(=政治的無関心、つまり「政治的アパシー」の可能性)
このような結果は、政治・官僚制度のどちらも「国民の真の代表」としての信頼を得ておらず、基本的な国民のニーズに応えられていないという構造的問題を浮き彫りにしています。
ナポン博士は次のように結んでいます。
「今回の調査結果は、単なる“政治への倦怠”の反映ではなく、“深く根ざした国民の要求”であり、政治の構造改革と民主主義への信頼回復が急務であることを示しています。透明性、効率性、国民参加の新たなメカニズムを構築する必要があります」
基本ベースは本誌がいつも訴えていることと、ほぼ同意だということが分かります。
タイ国民も、選挙票を金で売り渡すようなことはせず、真剣に自分たちの将来を考え、よーく考えて自分の意志で投票すべきです。
特に地方は顕著です。
その地方でのみ支持を得ている政党と言えば…。