真相は闇の中…、タイ女優テンモーニダさん死亡事件に判決。容疑者3名、証拠不十分で無罪に。

これで真相は闇の中…、でしょうか。

5月23日、タイ・ノンタブリー県裁判所は、2022年2月に女優テンモー=ニダー・パトチャラウィーラポーンさんが、チャオプラヤー川に転落して死亡した事件に関し、当時スピードボートに同乗していた3人の友人に対する過失致死罪の容疑を、証拠不十分により棄却しました。

無罪となったのは、「サン」ウィサパット・マノマイラット「ガティック」イサリン・ジュタサックサワット「エム」ピム・タムティーラスリの3人。

第4被告は有罪判決、刑の執行は猶予

一方で、4人目の被告「ジョブ」ニタット・サトーンは、虚偽の証言を行った罪で禁錮4か月と16,000バーツの罰金、さらに川に不法に廃棄物を投棄した罪で禁錮2か月と8,000バーツの罰金を科されました。
これらの禁錮刑は、1年間の執行猶予がついています。(実質、罰金のみ)

先に判決を受けていた被告「ポー」タヌパット・ラータウィーウィット「ロバート」パイブーン・トリーカンチャナナンは、それぞれ禁錮5年8か月および4年4か月の刑を宣告されていたが、罪を認めて遺族に補償を行ったことで刑が軽減され、3年間の執行猶予付きで禁錮2年9か月とされた。社会奉仕も命じられています。

タイ中を揺るがせた事件、法的決着へ

本事件は、テンモーさんの死が事故か他殺かを巡ってタイ中で大きな論争を呼び、2年以上にわたり世間の注目を集めていました。
今回の判決により、ひとまず法的な結末を迎えることとなりました。

母親は判決に不服、控訴へ

しかし女優の母親であるパニダーさんは、この判決を受け入れていないと言います。
代理人のデチャ・キッティウィッタヤナン弁護士によれば、母親は原告側である検察と相談の上、判決文の正式写しを取得し、1か月以内に控訴する意向を示しています。

母親は「娘は自らボートから転落したのではない」との疑念を持ち続けており、他の同乗者が関与していた可能性を主張している。デチャ弁護士はその意思を尊重し、控訴手続きを進めると述べています。

新証拠提出の可能性と警察捜査の評価

弁護士によりますと、たとえ過失致死罪でさえ棄却された現状では、殺人罪での立証はさらに難しいため、既存の過失致死の件に基づいて控訴する方針だといいます。

一部では「警察捜査が不十分だった」との憶測も流れているが、デチャ弁護士はこれを否定しています。
証拠資料は膨大であり、警察は職務を全うしたと評価する一方で、「何が本当にボート上で起きたのかは誰にもわからない。6人が乗っていて、1人が亡くなり、他の5人は似た証言をしています。裁判所も冒頭で『目撃者はいない』と明言した」と説明しています。

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