タイで囁かれる「眠れる断層」はあるのか?! タイ東北地震に関して専門家が解説。

バンコクまで届いた3月28日のミャンマー地震以来、やたらと地震のニュースが増えた気がします。

タイ地質資源局の地震災害対策センターによりますと5月6日午前1時36分、ノーンブアラムプー県ブンタン地区でマグニチュード3.0、深さ4kmの地震が発生しました。
この地震の揺れは、ブンタン地区内の村々で感じられました。

この地震について専門家による解説によりますと、「この地震はルーイ県に隣接するノーンブアラムプーで発生し、地質学的に活断層<ルーイ縫合帯(Loei Suture)>が原因とされ、異常な現象ではない」と説明しています。

過去の同地域での地震発生状況

・2018年:M3.4
・2020年:M3.8
・2024年:M2.6

ルーイ県に設置されている気象庁の地震観測所は、災害と呼べるレベルのものではないと説明しています。

東北地方の断層に関する専門的な見解

専門家によりますと、東北地方(イサーン)で災害リスクの観点から注目に値する活断層は以下の2つあるとのことです。

・ルーイ県のルーイ縫合帯
・ブンカーン県のターケーク断層

その他、報道で名前が挙がる「コラート断層」「プーキヤオ断層」「サトゥク断層」などは、すでに活動を停止した非活動性断層であり、主に地質図作成や岩石層のずれを説明するために使用されるに過ぎません。

また、一部の情報に対しても次のように反論されています:

①「東北地方には12の巨大な“眠れる”断層がある」という説は誤りで、実際に災害リスクのあるのはルーイとブンカーンのみ。

②活断層が「活動を止めた」理由は、現在のプレートテクトニクスによる主要な地殻変動のエネルギー源が、遠く離れたアンダマン海沖のスンダ沈み込み帯にあるため。この力は1000年、10000年単位でも変わらない。

③他地域(例:昨年のブリーラム県の地震)で発生した地震も、断層によるものではなく、構造変動による局地的な揺れとされています。

④もしこれらの断層を心配する場合、タイ北部、西部、南部にも遥かに多くの断層があり、どこにも住めなくなります。

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