米国、タイに仏像4体を返還へ。1964年にブリーラム県から美術商が盗掘?!

タイ芸術局によりますと、米国がタイ東北地方のブリラーム県にある「プラサート・ヒン・カオ・プライバット II」から盗掘されたとみられる仏像4体をタイへ返還する予定であることが明らかとなりました。

4月26日、米国の国土安全保障省の捜査官から同局へ連絡があり、サンフランシスコ・アジア美術館が保有していた該当の4点をコレクションから除外し、返還の準備に入ったとの報告があったといいます。

返還対象となるのは、菩薩像3体と仏像1体で、いずれも1964年にブリーラム県プラコンチャイ郡で発掘された「プラコンチャイ美術品群」の一部です。
これらは当時、不法に国外へ持ち出されたと伝えられています。

これらの彫像は、2020年にバンコクで死去した米国の美術商ダグラス・ラッチフォード氏が、プライバット山の遺跡から違法に発掘した可能性があるとみられています。

タイ芸術局内の調査委員会は、これらの仏像がサンフランシスコにあることを2017年に突き止め、米国国土安全保障省の捜査官デビッド・ケラー氏に協力を要請しました。

その後、美術館はケラー氏が提出した証拠を精査し、これらの仏像がタイから不法に持ち出されたことを認め、2024年4月22日に正式に所蔵リストから除外する決定を下しました。

なお、昨年11月には、米国が約3,000年前の「バーンチエン遺跡」の土器、腕輪、ビーズなど4点をタイに返還しており、同年5月には、ニューヨークのメトロポリタン美術館から「ゴールデンボーイ(立像のシヴァ神)」と「跪く女性像」の2体が返還されています。

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