タイのネット界隈で広がる都市伝説。タイ赤十字「臓器売買の噂は事実無根!」肺1つ920万バーツ!?

4月25日、タイ赤十字社の臓器提供センター副所長 スパニット医師は、SNS上で拡散されている「肺1つ=920万バーツ、腎臓=470万バーツ」などとする臓器売買に関する情報は事実ではないと否定しました。

臓器移植は合法的な「無償提供」のみ

タイ国内における臓器移植は、次の2つの方法に限定されます:

①家族など生存者からの提供

②死亡後に提供意思を示した登録者からの提供(タイ赤十字臓器提供センターを通じて)

現在、腎臓移植を中心に約7,000人が移植待ちとなっており、肝臓や心臓など他の臓器については人工補助が効かず、待機期間により死亡に至るケースもあると説明されました。

「金銭で臓器が取引される社会にはしたくない」

スパニット医師は、こう訴えます。

「金銭による報酬が認められれば、“お金があれば臓器を買える”という不公平な社会が生まれてしまう。 その結果、善意の臓器提供が減少する恐れがある」

さらに、世界保健機関(WHO)や国際移植学会、各国の医療団体も臓器売買に強く反対しており、タイでも2008年に制定された人身売買防止法により、臓器売買は厳しく処罰(懲役・高額罰金)されます。

よくある都市伝説に対しても警鐘

「旅行者がクラブで拉致され、臓器を摘出された」というような都市伝説についても、「臓器の摘出・移植には手術室、専門医、検査設備が不可欠で、街中で非合法に行えるようなものではない。移植には即時対応と高度な医療体制が必要であり、証拠もないこのような話は信ぴょう性に欠ける」と強調しています。

正しい理解と善意の循環を

臓器提供に関しては、タイ赤十字社臓器提供センターを通じて公式に登録することで、誰でも意思表示が可能です。
スパニット医師は「今回の噂が臓器提供をためらう要因にならないよう、正しい情報の拡散が重要」とし、引き続き広報活動を強化していくとしています。

 

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