タイ国政府観光庁、ミシュランガイドを活用した「タイ料理の卓越性への道」セミナーを開催。
- 2025/4/25
- タイ料理

タイ国政府観光庁、ミシュランガイドを活用した「タイ料理の卓越性への道」セミナー開催。
「世界的な美食の目的地」としての地位強化へ
タイ国政府観光庁(TAT)は、バンコクのアナンタラ・サイアム・ホテルにて、「ミシュランガイドを通じたタイ料理の卓越性への道」をテーマにセミナーを開催しました。
このイベントは、タイにミシュランガイドが導入されてから8年を迎える節目に行われ、同国の「美食観光(Gastronomy Tourism)」が持続的に成長している現状をアピールするものです。
イベントには、TAT総裁のタパニー女史のほか、ミシュラン星を獲得した有名シェフ3名が登壇しました。
・シェフ・アイス(スパクソーン・ジョンシリ):レストラン「ソーン」(ศรณ์)、タイ初・世界初のミシュラン三つ星のタイ料理レストラン
・シェフ・ウー(シティコーン・チャントップ):レストラン「アッキー」(อัคคี)、一つ星受賞 & 若手シェフ賞受賞
・シェフ・ヌム(ウィーラワット・トリアセーンワット):レストラン「サモアイ&サンズ」(ซาหมวยแอนด์ซันส์ )、ウドンタニ県からビブグルマン受賞
タイ料理の国際的評価と観光への貢献
TAT総裁は、このように語っています。
「2018年のバンコク版から始まったミシュランガイドは、当初98店舗の掲載に留まっていましたが、2025年版では462店舗に拡大し、全国11地域に広がっています。
特に『ソーン』はタイ初の三つ星レストランに選ばれ、世界でも初のタイ料理三つ星として大きな誇りとなりました」
また、2024年の調査では、外国人観光客の53%がタイを「魅力的な美食の目的地」と認識しており、前年(44%)から大きく上昇しました。
これは日本に次ぐ第2位という評価です(KeneTix Consulting調査)。
シェフたちが語る「ローカルから世界へ」
・シェフ・アイス:消えつつある南タイの地元食材を自ら探し、伝統と現代技術を融合させた南タイ料理のファインダイニングを創出。
・シェフ・ウー:各地の農家を訪ね、時間をかけて素材を集めて再構築した古典料理で、タイの食文化を世界へ発信。
・シェフ・ヌム:イサーン料理は「ソムタムとガイヤーンだけではない」という視点で、旬の食材と薬膳的なアプローチを加えた現代イサーン料理を提案。
世界的な評価も続々
・『Time Out』誌による「世界の食の都市ランキング2025」で、バンコクは第2位にランクイン(1位は米・ニューオーリンズ)。
高級料理から100バーツ以下の絶品ストリートフードまで幅広く楽しめる都市として評価。
・UNESCO創造都市ネットワーク(UCCN)では、プーケット(2015年)とペッチャブリー(2021年)が「美食の街(City of Gastronomy)」に認定。
プーケットは、年間36億ドル以上の食の経済効果を生み出しています。
今後の展望
TATは、美食観光の持続的な成長に向けて、全ての関係者と連携してタイ料理の品質と国際基準の向上を目指すと強調。
「タイは世界的な“食の目的地”としての地位をより強固なものにできる」との確信を示しました。