元仏教局長ノッパラット容疑者、米テキサスで逮捕。寺院資金5億バーツ超の横領容疑。

タイ国家仏教局(NOB)の元局長ノッパラットが、寺院開発資金の大規模横領容疑で、米国テキサス州にて逮捕されました。

タイ政府の正式な引き渡し要請を受け、米国連邦保安官が、ノッパラット容疑者がテキサス州の病院で治療を受けていたところを仮逮捕しました。
彼には、テキサス州の裁判所で引き渡しに異議を唱える機会が与えられます。

ノッパラット容疑者は、2017年に国家汚職防止委員会(NACC)が、不自然な多額の資産(5億バーツ以上)を調査し始めた際にタイから逃亡していました。

寺院開発資金横領スキーム

ノッパラット容疑者と元仏教局幹部ら数名は、寺院修復資金を不正に流用するスキームに関与したとされています。
寺院の修繕・開発予算を承認し、その後、大部分の資金を寺院に返還させ、自らのグループで山分けしていたというものです。
この一連の不正は「寺院資金の“お釣り”スキャンダル」として世間に広まりました。

資産凍結と関係者

資金洗浄防止局(AMLO)は、ノッパラット容疑者の資産約9,420万バーツを凍結しています。
彼は少なくとも4件の横領に関与したとされ、共犯者には以下が含まれます。

・パノム・ソーンサリップ(元仏教局長)
・プラノム・コンピクン(元副局長)

NACCは、関連する47件中36件の捜査を完了しています。

長期にわたる汚職の疑い

ノッパラット容疑者は2010年に局長に就任し、2012年から2016年にかけて寺院修復、僧侶教育、仏教振興名目での資金承認を装い、76~90%の資金を不正に横領していたとされます。
影響を受けた寺院は、ペッチャブーン県、ターク県、アユタヤ県、ノンタブリー県、サラブリー県、サムットプラカーン県、ナコンパトム県、バンコクなど全国各地に広がっています。

NACCによる主な告発内容

・海外寺院支援金500万バーツの横領
・6つの寺院から1,700万バーツの不正取得
・ナコンサワン県のワット・タークファー寺から800万バーツの不正取得
・ワット・プナンチューン寺(アユタヤ)の資金不正流用(2014年・2018年)

NACCは、ノッパラット氏が少なくとも5億7,500万バーツ相当の不当な資産を保有していると結論づけています。

同じく海外逃亡中のタクシンの妹インラックは、何故逮捕されないのでしょうかね。

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