ここ数日、SNS上で話題となっているタイの芸能界スキャンダルが、政治家をも巻き込む騒動へと発展している。
その騒動の中心にあるのは、ある女優が身につけている高級ネックレスだった。

美容・健康関連商品の会社を経営する実業家のメイ＝ワサナー・インタセンさんは、女優デュ＝アリサラー・トンボリスットさんから、総額6200万バーツ（約2億6000万円）相当の資産を取り戻そうとしている。
というのも、彼女の高級品が転売されていたことが発覚したからだ。

その中には、「ロータス・アーツ・ド・ヴィーヴル」のザンビア産エメラルド＆ダイヤモンド・コレクションの特別なネックレス（2,644万バーツ＝約784,000ドル相当）も含まれており、最終的にイニシャル「P」の政治家の手に渡ったと報じられている。

高級ネックレスと政治家「P」の関与否定

メイ・ワサナーさんは、かつてその高級ネックレスを身に着けた写真を公開していた。

一方で、3月20日、この明らかにされた「P」のイニシャルを持つ４人の閣僚、

・ピラパン副首相兼エネルギー大臣
・ピチャイ財務大臣
・ピチャイ商務大臣
・ピパット労働大臣

が、そろって関与を否定した。

ネックレスの意外な返還

政治スキャンダルが渦巻く中、思わぬ展開が起きた。

ある女性「トゥーン」によって、このネックレスが人気トーク番組「ホーンカセー（โหนกระแส）」へ送られ、実業家メイ氏に返還されることになったのだ。
番組司会者のカンチャイ氏が、番組内でそのネックレスを公開した。

豪華な生活の裏側

デュ・アリサラー氏は、タイの芸能界で最近、経済的困難に直面したセレブの一人となった。
彼女はかつて豪華なライフスタイルを誇示し、インスタグラムでもその様子を頻繁に投稿していた。

また、彼女は以前、クラタム党（Kla Tham Party）の事務総長である政治家パイ・リック氏と交際していた。
現在は破局しているものの、依然として親しい関係にあるという。

なお、パイ・リック氏は、ネックレス騒動への関与を最初に否定した政治家の一人であり、彼女の浪費癖に対して過去に警告していたことを明らかにした。

デジタル時代の価値観を巡る議論

デュ・アリサラー氏は、近年タイで問題となっている「The iCon Group」のようなネズミ講ビジネスや、オンライン賭博とは関係がない。
しかし、3月19日に前述のトーク番組「ホーンカセー」に出演した際、自身のすべての事業が失敗し、浪費癖が社会に悪い影響を与えたと認めた。

彼女の転落劇は社会で広く議論されており、タイ公衆衛生省の精神衛生局もデジタル時代における子育てについてガイドラインを発表した。その中では、

・SNSの情報を鵜呑みにしない
・他人の華やかな生活に惑わされない
・自分自身の価値を築くことを重視する

といった教育の重要性が強調されている。

いやあもう、個人的にもツッコミどころ満載なスキャンダルで、タイの特徴が如実に出たスキャンダルですね。
これは、文字でというより、youtubeなどで解説したいくらいです（笑）。