2024年のタイ不動産を振り返る。2025年はどのような兆候に、業界が抱える問題点とは?
- 2025/1/4
- 不動産情報
2024年のタイ不動産市場は大変荒れた内容となり、問題も浮き彫りとなりました。
開発業者はこれらの問題に対応し、安定化と回復を目指して新たな戦略を採用しています。
目次
1. バンコクのマンション市場が低迷
2024年の特徴的な現象の一つは、タイの経済の中心地バンコクでの新規コンドミニアム開発数の減少でした。
2024年上半期には市場が前年比で43.72%縮小し、新規発売ユニット数は8,674戸(総額493.7億バーツ)にとどまりました。
この低迷の主因は、住宅ローン審査の拒否率が70%と高く、需要が著しく減少したことだと言われています。
2. 第3四半期に不動産販売が急落
タイの不動産市場は2024年第3四半期に深刻な落ち込みを経験しました。
全カテゴリーで販売量と販売額が、前四半期および前年同期比で減少しました。
コンドミニアム販売は60%減、タウンハウスと一戸建て住宅は26%以上の減少を記録しました。
総販売額は前四半期比で30%以上、前年比で45%減少しました。
3. プーケット市場が活況
バンコク市場が収縮する中、プーケットは顕著な成長を遂げました。
2024年には新規コンドミニアムユニットが12,000戸以上(総額630億バーツ)販売され、ヴィラの新規開発も倍増し、総額363億バーツに達しました。
特にタイ人や外国人に人気のバンタオ~チュンタレーエリアが注目されています。
4. 新ランドマーク:「One Bangkok」と「Dusit Central Park」
バンコク中心部にオープンした2つのメガプロジェクトが話題を呼びました。
「One Bangkok」は1,200億バーツの投資で、オフィスビル、5つの高級ホテル、小売スペースを含む108ライの土地に展開されています。
一方、「Dusit Central Park」は460億バーツの投資で、ホテル、オフィスビル、高級マンション、ショッピングセンターを備え、ラマ4世通りをバンコクの新たな経済ゾーンに変えました。
5. プルクサーCEOにトーンマ氏が復帰
プルクサーでは、創業者であるトーンマ氏が2024年12月17日付でCEOに復帰しました。
業界の課題に対処するため、リーダーシップを強化する動きです。
6. 高級住宅市場の好調
高級住宅市場は、中・低所得層の需要が脆弱な中で開発業者の避難所となりました。
過去10年間で「究極クラス」と呼ばれる高級住宅が394ユニット以上(総額4,500億バーツ)開発され、100億バーツ以上の価格帯のプロジェクトが注目されています。
7. ブランド付き住宅の台頭
外国人バイヤーを惹きつける「ブランド付き住宅」が急成長。
例えば、アナンダーの「ポルシェデザインタワー」は、1平方メートルあたり100万バーツからの価格で販売され、世界的ブランドの魅力を活用しています。
8. レンタル志向の世代の台頭
若い世代が所有よりも賃貸を好む傾向が顕著です。
生活費の高騰、貯蓄不足、不動産価格の上昇が主な要因で、長期的な所有の魅力が薄れています。
2025年の不動産業界は、どのようなニュースを運んでくれるでしょうか。
しかし円安が続く日本人には、あまり良い買い物にはならないかもしれません。