サムイ島で自殺したフランス人実業家と遺産問題。名義貸しによる土地取得など闇ビジネスが浮き彫りに。

クロスボンバーの読者は、この事件を覚えていらっしゃるだろうか。

この事件は、2024年4月29日にフランス国籍のマダム・キャサリン・ドラコット(59歳)さんが、サムイ島の高級ヴィラで自殺したことをきっかけに始まりました。
キャサリンさんは、1億バーツにも及ぶ財産を親しい家政婦である「ティム」さんに遺すとの意思を示していました。

サムイ島に家政婦、フランス人資産家から猫と遺産1億バーツを託される?!

捜査が進むにつれ、外国人の土地所有権や譲渡権の合法性に疑問が投げかけられ、最終的に複数の容疑が浮上してきました。
これに関連して、ティムさんは5月2日に涙ながらに「マダム・キャサリンの悲劇的な死に衝撃を受け、深く悲しんでいます。彼女が残した財産と3匹の猫を大切にします」と述べていました。

11月26日、担当検事は、サムイ島警察署に証拠を提出しました。
これにより、キャサリンさんの遺産、GVN.E.社、Maxicat社が以下の容疑で告発されました。

●公的文書への虚偽情報記載
●無許可の外国ビジネス運営(特に土地取引)
●外国人による違法な土地取得
●名義貸しによる外国ビジネス規制の回避

名義貸しスキームに関与したとして告発されたのは、サムイ島在住のトンサイ氏(50歳)とナコンシータマラート県在住のラチャプラパー氏(36歳)です。

争点となった遺産には、約3,000万バーツ相当の土地付き高級ヴィラ、約2,000万バーツ相当の隣接する2つの空き地、金庫内の宝石、銀行預金などが含まれ、総額は約1億バーツと伝えられています。

これを受けて、サムイ島における外国人の不動産所有に対する広範な調査が行われています。
当局は、島内の外国人所有の不動産や企業構造を徹底的に見直すよう命じ、地元当局や天然資源・環境省の職員も調査に加わる予定とのことです。

この調査により、違法なビジネスや名義貸しスキームが明らかになり、タイ人家政婦に遺贈される予定だった多額の遺産が無効とされる結果となっています。

 
 
 

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