「タイ貢献党はうんざり」「プラユットが懐かしい」これが今のタイ・トレンドワードです。

最近のタイの政治トレンドワードに、「タイ貢献党はうんざり」「プラユットが懐かしい」と言うのがあります。

タイメディアによりますと、この手のワードは一部の支持派によるプロパガンダではないかと以前は疑問でしたが、現在のタイ社会では、これらの傾向が現実であることを認め始めていると述べています。

プラユット将軍は首相としてユニークで際立ったスタイルを持っており、一部のタイ国民はそれを高く評価していました。
彼は決断力もあり、権力を行使することを恐れませんでした。

しかし彼は、講演もインタビューも上手ではありませんでした。
しばしば機嫌が悪くなり、メディアに対する敬意をほとんど示さず、頻繁にジャーナリストを叱責していました。

プラユット氏は軍事と安全保障問題に関して明確な専門知識を持っており、これらの分野に重点を置いていたが、他の分野、特に経済とテクノロジーについては専門知識が不足していることを公然と認めていました。

現在のセター首相のスタイルは、プラユット前首相とははっきりと対照的です。

新型コロナの危機が完全に過ぎてから発足したタイ貢献党政府とセター首相は、経済の専門知識を誇示しているにもかかわらず、政権を握ってから約1年経っても経済は悪化しており、国民から広く失望を招いています。

タイ貢献政府は1万バーツの現金給付を約束しましたが、経済は危機にあると頻繁に述べてきたにもかかわらず、国民への即時救済措置もなく、政権発足からほぼ1年が経過したにもかかわらず実現できていません。

これに反し、プラユット政権はコロナ過にもかかわらず、「コンラクルン」(半分こ)政策など、国民に人気のあった経済刺激策を講じてきました。

プラユット氏は交通インフラ、特に高速道路や鉄道システムの開発など目に見える成果を上げたが、セター政権は構想のみで具体的な成果が上げられていません。

さらにタクシン元首相とペトンターン貢献党党首のチナワット一族による政治関与は、タイ貢献政権の人気を高めることはなく、むしろソフトパワー政策の動きやタクシンによる政治的策略などの批判を招いていています。

タイ貢献党は、選挙で第1党となった前進党から政権の座を簒奪し、多くの人の目に正当性を損なう結果となりました。
政権を握ってからも満足のいく成果を得られなかったため、その反発は強まるばかりです。

2023年の選挙前、長きにわたって政権を握っていたプラユット氏に対し変化を求めていましたが、しかし、結果は期待外れでした。 

政治に対する失望の高まりが、「タイ貢献党はうんざり」「プラユットが懐かしい」というトレンドワードを作り出したと言えます。

関連記事

最新記事

月間人気記事TOP10

ページ上部へ戻る