「以前の私は野良犬でした」年間10万人の学校中退者、その理由の一つが貧困です。求ム!学校の無償化。

旅行でバンコクや観光地などを訪れた人は、タイは先進国のようだと感じたかもしれません。
しかし、貧富の差の激しさは世界的にもトップレベルで、それは教育レベルの差にも繋がっています。

「ジューン」と呼ばれるこの少女は、カムペーンペット県で62歳の祖母と暮らしています。
彼女の母親はバーレーンに出稼ぎに行き、バーレーン人男性と結婚しましたが、妊娠し出産のためにタイに戻ってきました。
ジューンが生まれた後、母親はまた出て行き、そのまま戻らず、ジューンは祖母に育てられることになりました。

祖母は労働者として働いていますが、月に追加の政府援助金900バーツをもらっても足りません。
彼らは月々800バーツの家賃を支払わなければならず、食べることにも苦労していました。
空腹の時ジューンは、食べ物を求めて寺に行くと話します。

このような状態なので、祖母はジューンを学校に行かせる余裕がありません。
ジューンは勉強を続けたかったのですが、学費が払えないため、4年生になったら学校に行けなくなります。

「もう孫娘を学校に行かせる余裕がありません。
しかし、彼女は6年生まで学校に行きたいと思っています。
どうやってお金を見つければいいのかわかりません。
食べるものはほとんどありません。
私はただ彼女を学校に行かせたいだけです。 私が求めるのはそれだけです」と祖母は言います。

彼らの話がメディアで報道された後、多くの人々が支援を提供したいと申し出ました。
そして2024年4月1日までに、ジューンさんの祖母の銀行口座には350万バーツ以上の寄付が集まったと言います。

ジューンと祖母は、溢れんばかりの支援に大喜びしました。
彼らはそのお金をまず6月の教育費に利用すると話します。

ジューンは祖母の世話をするために医師になりたいと将来の夢を語っています。

「今日はとても幸せです。 まるで犬が飼い主にめぐり合えたかの様な気持ちです。以前の私は野良犬のような気分でした」と笑顔で笑いながら祖母に語ります。

基本教育委員会事務局による調査研究によりますと、子どもたちが学校に通えない理由のトップ3は、家族が必要性を放棄、住居を変更、所得が不十分があげられています。

学校を中退する子どもの数は2022年には最大10万人に達しており、その主な原因は家庭の貧困だと言われています。
教育研究者のソンポン氏は、学校への復帰を支援するプログラムがあるものの、支援制度がなければ卒業まで子どもたちを学校に通わせるのは難しいと述べます。
教育どころか、子供たちが十分に食べることができるかどうかに必至なのです。

都市部の中でも貧富の格差は激しいですが、都市部と地方となりますと、その有様はひどいものです。
ジャーナリストやメディアを名乗る人々は、もっとこういったタイの現実を伝える義務があると私は考えます。

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