ラチャダーで渋滞を引き起こした悪魔像。犬猫の生贄をすれば宝くじに当たると崇拝の対象に。

弱き者は暴力の対象となり、強き者は崇拝される対象となる。
それが悪魔であっても。

ノートルダム大聖堂のガーゴイルに似た恐ろしい外見を持つ「クルー・ガーイゲーオ」(ครูกายแก้ว。ガーイゲーオ先生)と名付けられた巨大な像は、カンボジアで誕生したと言われており、タイの新たな崇拝トレンドとなっています。

本誌でもお伝えした通り、8月9日クルー・ガーイゲーオ像がラーチャブリーからバンコクに移送され、歩道橋の下を通過できなかったためにラチャダーピセーク通りで交通渋滞が発生しました。

この件についてネットユーザーは、渋滞事件と銅像の両方を批判し始めました。

もうちょっと頭を低くして…。今朝方ラチャダーで発生した渋滞は、この悪魔のせいです!

この悪魔のような像は、後にラチャダーピセーク・ラップラオ地区にあるホテルの前に設置されました。
それはクメール信仰の尊敬される教師「クルー・ガーイゲーオ」であると主張されており、おそらく最初の敬虔な仏教王であるバイヨン寺院の建設者であるジャヤヴァルマン7世王に関連していると考えられています。
しかし歴史的には「クルー・ガーイゲーオ」についての言及されている文献は見当たらないと言います。

設置後、多くの人々がこの像を崇拝し、タイ社会でよく信じられて迷信、宝くじの番号を乞う様になりました。
一部のオンライン上では、クルー・ガーイゲーオを効果的に崇拝するには犬や猫を生贄にしなければならないとさえ書かれており、これが動物愛好家の間で反対と怒りを引き起こしました。

クルー・ガーイゲーオの信者であり、4年以上前にクルー・ガイ・カオの等身大の像を建てたノンタブリーのガネーシャ・テワライ・バンヤイの創設者である42歳のナタウット氏は、そのようなアドバイスは見当違いだと主張します。
彼は、クルー・ガーイゲーオを崇拝するために、人々の生活を妨害したり、動物を犠牲したりする必要はないと強調しています。

「動物を使って儀式を行うことはすでに悪行です。 どうすればそれを通して祝福を受けることができますか?」 ナタウット氏はこのように説明します。

歴史、宗教、文化の専門家であるトントン教授は、クルー・ガーイゲーオがジャヤヴァルマン7世王の教師であったという主張には、有効な根拠は何もみつかっていないと述べます。
この信念は違法ではありませんが、タイ社会の心理的不安を反映しているとタイメディアは批評しています。

「多くの人がそれが何であるかを知らずに敬意を表しているこの像は芸術ではなく、人間や動物のようなものでもありません。 なぜこのような像を参拝することが縁起が良いと考えられるのか、私にはまだ分かりません。 むしろ、それが逆の影響を与えるのではないかと心配しています」とトントン氏は語ります。

関連記事

最新記事

月間人気記事TOP10

ページ上部へ戻る