タイのBLドラマ人気について、制作プロデューサーがその功罪を分析。

シリーズYとしても知られるタイのボーイズラブ (BL) テレビドラマシリーズは、アジア全土で人気と収益性が高まっています。

現在タイでは、年間20本以上のBLシリーズが制作されていると言われています。
タイのBLシリーズは非常に人気があり、多様性ある社会をアピールしています。

これらのシリーズに対する地域全体の関心の高まりのおかげで、タイのソフトパワーは強化され、国際ストリーミング収益は急速に増加しています。
国際貿易促進省によると、他のアジア諸国が購入したタイのBLシリーズのストリーミング権は、2021年に3億6000万バーツ相当に及ぶと言います。

エンフィニティ・エンターテインメント(Enfinity Entertainment)のディラン・ハン最高経営責任者(CEO)によりますと、タイではすでに5年以上BLシリーズが制作されており、タイ社会のオープン性と多様性がBLシリーズの人気の鍵となっていると説明しています。

「まず、若い世代はLGBT文化を受け入れていると思います。
昔はこの文化が潜在的に好きな人もいたと思いますが、BL関連の本やドラマを公に読んだり見たりすることはありませんでした。
例えば、日本にはBL漫画はたくさんありましたが、LGBT文化に対してそれほどオープンな社会ではありませんでした。
親は子どもたちにLGBTの漫画本を読むことを許さなかったため、自分の部屋でこっそり読むことしかできませんでした。
今、タイでは誰もがオープンマインドになっています。
タイのBLシリーズの成功により、他の多くの国でもBLシリーズの制作が始まっています。

タイBLシリーズのトレンドが多くの国で高まる中、国内外でファンクラブが設立されています。
さらに、シリーズに出演する俳優たちは定期的にファンミーティングを主催しています。
ただし、BLドラマでの演技に定評があると、タイプキャスティングにつながる可能性があります。
ディランは、BLシリーズの俳優たちが「ストレート」なテレビドラマに転向するのは難しいかもしれないと語ります。

※タイプキャスティングとは、同じ役柄しか回ってこないこと。

「俳優がBLテレビシリーズに出演すると、ファンはドラマの中のカップルを認識します。
ファンの観点から見ると、俳優たちは「ゲイカップル」であり、したがって「ストレートなカップル」であるべきではありません。
BL系俳優にとって相手を女性に変えるのは難しいと思います。
多くの人気俳優がBLキャラクターを演じ、その後人気女優と共演しています。
しかし、最終的にはうまくいきません。」

エンターテインメント業界における差別について、ディランはBLシリーズの俳優に対する差別は見たことがないと語ります。
「どの俳優もフレンドリーに扱われます。
タイはBLシリーズの影響力を利用して、現実社会において同性カップルと結ばれることが正常であるというメッセージを伝えてきました。」

ディランは、性別や外見が何であれ、俳優は制作チーム内でいかなる差別にも直面しないと語ります。
BLシリーズでは、ゲイ、レズビアン、トランスジェンダーなど複数の役が画面上に登場します。

ディラン氏は、俳優のセクシャリティが何であっても、シリーズで演じている役との適合性の方が重要だと言います。
「俳優も女優もプロです。
たとえ異性愛者であっても、同性愛者として振る舞うことはできます。
キャスティングに関しては、俳優のイメージがシリーズで演じるキャラクターと一致するかどうかのみを考慮します。」

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