日本・中国・タイなど初の8か国調査「グローバル定点2023」 結果発表(第二弾)~タイ 「夫婦で役割を平等に分担」​

8か国比較で各国が最上位となった項目例は……​日本 「環境保護行動をしていない」​、中国 「仕事を第一に考える」​、タイ 「夫婦で役割を平等に分担」​

博報堂生活総合研究所は、博報堂生活綜研(上海)、博報堂生活総合研究所アセアンと協働し、日本・中国・アセアンの生活者のライフスタイルや行動を把握することを目的とした初の8か国調査「グローバル定点」を実施。5月10日に発表した第一弾では、調査結果からみえてきた日本の特徴についてご紹介しました。

今回の第二弾では、8か国比較で最上位/最下位になったデータの分析結果から、各国の研究員が選んだ特徴的なデータを考察とともにご紹介します。各国の生活者の違いを知る一助になれば幸いです。

<参考データ:各国における最上位(1位)の項目例>

【日本】地球環境の保護につながる行動をしていない方だ

日本は67.0%で最上位でした。しかも、他国と比べようもないぐらいスコアが突出していることが意外でした。例えば、几帳面な日本人にとってはごみをしっかり分別して捨てるのはもはや当たり前ですし、レジ袋を使わないようにマイバッグを持ち歩く人もよく見かけるからです。なのに、調査結果がこうなったのは、日本人が考える「地球環境の保護につながる行動」の基準が他国より高いレベルにあるからかもしれません。

【中国】家庭生活よりも仕事を第一に考える方だ​

中国は31.6%で最上位でした。「物質的な面で生活を豊かにすることに重きをおきたい」でも最上位の中国。一生懸命働くことを通じて生活水準を高めるため、家庭より仕事を優先する人が他国より多かったと考えられます。

【タイ】夫婦で家事や子育て、仕事などの役割を平等に分担している(既婚者のみ回答)​

タイは67.6%で最上位でした。実際のビジネスの現場にも女性の社長や役員、オーナーがたくさんいます。働く意識に男女差があまりないことに加え、低い人件費で雇えるお手伝いさんやナニーさん(保育サポートのプロ)、家事や子育てを担う同居の両親という存在も女性が外でバリバリ働く男女平等環境に大きく寄与しています。ちなみにタイでは出産後3か月で職場復帰するのも当たり前となっています。​

【ベトナム】学歴を信じる​

ベトナムは53.1%で最上位でした。ベトナムの生活者は歴史的な背景もあって、「自由と自立」に対する渇望が強い傾向がみられます。彼ら彼女らにとって「自由と自立」を手に入れるための最大の武器は「学歴」だということが、調査結果に如実に表れたのではないでしょうか。博報堂生活総合研究所アセアンの家庭訪問調査でも、「高学歴を手に入れて海外に出たい」「良い大学を出て良い職に就いてお金持ちになりたい」などの発言をよく聞きます。がんばった分だけ成功に近づく、あるいは報われる社会なので、ベトナムでの学歴主義はまだ続くと思われます。​

【インドネシア】来世を信じる​

インドネシアは64.6%で最上位でした。国民の9割がイスラム教徒のインドネシアの生活者は、その敬虔さから来世を信じて、良い行いを心掛ける人が多いです。日常からの意識とふるまいが、この調査結果に表れたのでしょう。

【フィリピン】愛を信じる​

フィリピンは78.4%で最上位でした。「愛を信じる」人が突出したのは、国民の9割がキリスト教の信者であることもひとつの要因だと思われます。フィリピンの生活者は言うなれば「愛の人」。恋愛も、家族愛も、人との繋がりをとても大切にする人たちです。​

【マレーシア】お金を信じる​

マレーシアは53.2%で最上位でした。ただし、2位 シンガポール(50.4%)との差はわずか2.8ptで、マレーシアが突出しているわけではありません。さらに、3位以下の国のスコアも4割超となっています。どうやら、「お金を信じる」のは各国に共通する生活者の思いなのかもしれません。​

【シンガポール】海外旅行にひとりで行くことに抵抗はない​

シンガポールは31.9%で最上位でした。国土が小さいシンガポールの人たちの趣味として、「海外旅行」が大人気です。お金も自立心もある人が多いので、他の国と比べると「海外旅行にひとりで行くことに抵抗がある人は少ない」ようです。

■調査概要

調査地域:日本(首都圏・阪神圏)​、中国(北京・上海・広州)​、アセアン(タイ・ベトナム・インドネシア・フィリピン・マレーシア・シンガポール)​

調査人数:11,000人(11エリア×各エリア1,000人)​

調査対象:15歳~59歳の男女​

調査期間:2023年1月10日~31日​

調査方法:インターネット調査​

設計・分析:博報堂生活総合研究所​

実施・集計:株式会社 H.M.マーケティングリサーチ​

調査協力:博報堂生活綜研(上海)、博報堂生活総合研究所アセアン​

▼詳しい調査レポートは、下記ページよりご覧ください

https://www.hakuhodo.co.jp/news/newsrelease/104180

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