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「サワッディー」の歴史は意外と浅い?!タイには挨拶の言葉がなかった? タイの挨拶の歴史と誕生秘話。
- 2025/6/22
- もっと知りタイランド

微笑みの国タイランド。
その温かい文化と人々のホスピタリティには、どこか「田舎に帰ってきたような安心感」があります。
中でも有名なタイの挨拶「サワッディー」は、ほとんどの観光客や在住者が最初に覚えるタイ語ではないでしょうか。
しかし、この親しみ深い言葉は実は比較的新しい時代につくられたものだということをご存知でしたでしょうか?
「サワッディー」以前のあいさつ
かつてのタイには、現在のような正式なあいさつ言葉は存在せず、代わりに人々はこうした日常的な会話で関係性を築いていました:
「ご飯食べた?」(กินข้าวหรือยัง?)
「どこ行ってたの?」(ไปไหนมา?)
これらは日常生活に寄り添った問いかけであり、気軽な会話の糸口でもありました。
タイ社会の温かみやつながりの深さを感じさせる表現です。
「サワッディー」誕生のきっかけ
1930年代、タイが近代化の波に乗り始めた時代、ラジオ番組の締めくくりによく使われていた「ラートリー・サワッ(ราตรีสวัสดิ์)=おやすみなさい」が注目されました。
しかし一部の人々は、これがあまりにも英語の直訳のように感じられ、タイ独自の文化的挨拶が必要だと感じたと言われています。
そこで登場したのが、卓越した学者であり言語学者でもあった「プラヤー・ウパキット・シラパサン」(พระยาอุปกิตศิลปสาร )氏です。
彼は、古代サンスクリット語の「su(良い)」と「asti(ある・存在する)」に着目し、これを組み合わせて「sawatdee(สวัสดี)」=「良いことがありますように」という意味の言葉を作り出しました。
タイ独自の挨拶として定着
「サワッディー」は、流行語のようにすぐに全国に広まり、「こんにちは」を超える意味合いを持つあいさつとなりました。
それはただの挨拶ではなく、「健康・幸福・繁栄への願い」を込めた、タイらしい優しさの表現だったのです。
今や「サワッディー」はタイ文化の象徴
現在、「サワッディー」はタイを訪れるすべての人が耳にする言葉です。
バンコクの街角でも、田舎の村でも、誰かが微笑みながら「サワッディー・クラップ/カー」と声をかけてくれるでしょう。
その瞬間、それは単なる「こんにちは」ではなく、あなたの幸福と健康を願う優しい想いのこもった言葉なのです。
タイ人は、逆に仕事場などよく顔を合わすような人へは、あまり挨拶をしないのですが、それはそもそも挨拶に値する言葉がなかったからとも言えるのかもしれませんね。