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【タイ】もしもコロナにかかったら。今の部屋から追い出される?!~ある日本人駐在員の場合…。
- 2022/8/10
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隔離施設が次々と撤廃に
タイ公衆衛生省は、現在、ほとんどの感染者が外来自己隔離 (OPSI) で治療対応しているため、Covid-19用の病院とホテルの隔離システムを廃止することを検討しています。
保健サービス支援局の局長であるターレス博士は8月10日、公衆衛生大臣アヌティン氏に提案し、この懸案が9月1日までに正式に発表されるだろうと述べています。.
ターレス氏によると、昨年タイで隔離施設として利用できた76の病院と31のホスピテル(隔離ホテル)が、現在11の病院と6つのホテルのみしか対応していないことが調査によって判明したと言います。
さらにこの合計17の隔離施設でも、全部でわずか4,720床しか対応能力がないと述べています。
現在、感染患者のほとんどは軽度または無症状であり、OPSIシステムまたは自宅隔離で治療できるため、これらの病院やホテル隔離の必要性が低くなっていると同氏は述べます。
ある日本人駐在員のケース
こちらの問題、実生活で既に影響が出ています。
タイの公衆衛生省も認めていますが、定例の新型コロナ感染者数は病院などで検査した数値のみの報告であり、実際には10倍近い新型コロナ感染者が出ているとも言われています。
ある日本人駐在員のケースをご紹介しましょう。
某有名日系自動車企業に勤めるAさんは、バンコクで単身赴任となりました。
ワクチンも3回接種し準備万端での赴任でしたが、赴任後数か月で企業が自主的に駐在員に課しているATK検査で「陽性」と判定が出てしまいました。
これは他人様に迷惑をかけてはいけないと、すぐさま自身が住むサービスアパートに報告することにしました。
するとサービスアパート側からは…
「それでは今すぐ隔離施設に移動して下さい」
との冷たい回答。
隔離ホテルはもうコロナ感染者は不要に
症状のなかったAさんは、会社の同僚などの助けを借りて、他の人の迷惑にならないよう自身の借りているサービスアパートの部屋で自己隔離を行うつもりでしたが、このような対応をされてしまいました。
症状がなかったので、病院に入院するのも気が進まないAさんは、会社の総務部に相談し隔離ホテルを探してもらいました。
しかし、これが見つかりません!
新型コロナで入国を厳しく制限していた時は、隔離ホテルやホスピテルとして潤っていたホテルも今や昔。
入国制限が撤廃され観光客が戻って来た瞬間に、当然のごとく隔離ホテルとしての役割など投げ捨て、通常のホテル営業を再開し始めました。
それで行き場を失ったのが、隔離を迫られる人たちです。
あるにはあるのですが、非常に遠い場所であったり、とても日本人が住めるようなレベルの部屋でなかったりと、衛生面や安全面からも企業の総務部が紹介できるレベルのところしかありませんでした。
結局、Aさんは病院に入院することで隔離をすることができました。
会社の保険が使えるので費用的には問題なかったのです。
現在、他国に先駆け入国制限を撤廃したタイ王国に観光客が戻ってきています。
それに伴い、新型コロナで得られなかった収益をとり戻さん!と、観光業界では鼻息の音が聞こえてくるくらい自己の営利業務に躍起となっています。
Aさんのようなケースは特に、ホテル業務も兼用としているサービスアパートで発生しています。
(サービスアパートであっても部屋隔離を認めているところもあります)
なぜなら、ホテル内に新型コロナの陽性患者がいるようでは、他の観光客への風評被害に繋がってしまうからです。
法律は常に、表と裏を見定めるべき
Aさんの場合、入院することができましたが、今後病院でも対応してくれない、またはそもそも病床が少ないので空いていない場合、新型コロナ陽性者は行き場を失ってしまう可能性が出てきます。
行政が隔離ホテルを一定数確保できないというのであれば、ホテル側の追い出し行為を厳しく取り締まり、自宅隔離(部屋隔離)を認めさせる法律を現在19回目の延長となっている非常事態令の下、立案実行しなければ意味がありません。
それとも隔離難民を作ることで、誰かが潤うシステムがあるというのでしょうか。