急増する電子ゴミ、タイはASEANワースト3に。大手通信会社が回収ボックスを設置するも…。

東南アジアは「世界のゴミ捨て場」となってしまっているのでしょうか。

東南アジア全体で電子ゴミ(E-waste)の排出量が年間1,230万トンに達するなか、タイは年間43万9千トンを排出し、インドネシア(189万トン)、フィリピン(53万7千トン)に次いでASEANで3位となっています。

「ゴミの分別は本当に意味があるのか、結局は一緒に処理されるのでは?」という疑問が未だ根強いですが、通信大手AISの広報は否定します。
分別された廃棄物は価値を持ち、回収後も仕分けされてリサイクルに回されると強調しています。
ゴミの分別は温暖化防止につながり、資源の再利用を確保する重要な行為だと述べています。

しかし同氏が警鐘を鳴らすのは、電子ゴミを分別せずに廃棄する危険性です。
電子ごみには有害物質が含まれており、適切に処理されなければ土壌や水、植物に長期的な汚染を残します。

世界全体では、電子ゴミは2030年までに7,200万トン、2050年までに1億1,000万トンに増加すると予測されています。2024年時点では6,200万トンに達しましたが、適切に処理されたのはわずか22%でした。

不適切な処理、例えば埋め立てや焼却は、土壌や水の深刻な汚染源となっています。
統計によれば、回収されるゴミは全体の10%に過ぎず、残り90%は環境の中に放棄されています。

この状況を受け、タイの通信大手AISとトゥルー社は回収キャンペーンを実施しました。
携帯電話や小型家電を対象に回収ボックスを設置し、専門施設で適切に処理する取り組みを進めています。
こうした活動により、電子ゴミの削減や最終的な廃絶を目指しています。

ただ回収ボックスを設置してもわざわざ捨てに来る人は皆無でしょうから、何か試供品をプレゼントしたり、抽選で何かが当たるなどの付加価値を付けないとただ「やってますよ」で終わってしまいますね。
もちろん費用がかかることなので、そういった予算は機種本体価格に「ごみ処分費用」として上乗せしていくのも仕方ないでしょうね。

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