タイのピックアップトラック市場に陰り。2026年販売台数、約30年ぶりの低水準になる見通し。

ttb analyticsは、タイのピックアップトラック市場について、2026年の国内販売台数が約17万1,000台と、約30年ぶりの低水準に落ち込む見通しを示し、市場環境は依然として厳しいとの見方を示した。
これは前年比で7%減にあたり、長期的な縮小傾向が続いている。

同機関によると、かつて年間40~50万台規模を誇った国内ピックアップ市場は、近年では20~30万台に縮小しているという。
特に市場の6~7割を占める地方部での新車登録減少が顕著で、ほぼ全ての県で減少傾向が続いている。

価格帯別では、80万~99.9万バーツの中・上位モデル(主にダブルキャブ・2列シート)の市場シェアが縮小する一方、60万~79.9万バーツの実用性重視モデルの比率が上昇しており、購買力の低下を背景に価格感応度が高まっていることがうかがえる。
100万バーツ超のプレミアムモデルは人気が高まっているものの、市場規模は小さく、販売の6割以上がバンコク首都圏に集中している。

販売低迷の主因として、家計の購買力の脆弱さと自動車ローンの厳格化が挙げられる。
ピックアップトラックは農業や中小事業で使われる生産財としての側面が強く、景気回復の遅れや家計債務の高止まりが需要を抑制しているという。

さらに、ライフスタイル向けのモデルや電動化技術の導入に伴う車両価格の上昇、SUV・MPVへの需要シフト、中国メーカーの台頭も市場縮小に拍車をかけている。
加えて、2026年から導入された CO2排出量基準に基づく新物品税制度により、ピックアップトラックや派生SUV(PPV)の税率が引き上げられ、新車価格は従来比で 2~10%程度上昇する見込みだ。

一方、輸出向け生産は好調で、2025年は国内販売の3倍超に達したが、今後は各国で進む環境規制強化により、ディーゼルピックアップを主力とするメーカーにとって不透明感が強まっている。

ttb analytics は、こうした状況を踏まえ、手頃な価格帯モデルの拡充や柔軟な金融支援策、低CO2排出技術への対応が不可欠と指摘している。
タイのピックアップ産業が「Product Champion」としての地位を維持するには、国内外の市場環境変化に即した戦略転換が求められるとしている。

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