タイのホテルの48%、価格調整更新の遅れが収益機会の損失に。SiteMinderの最新調査。

グローバル宿泊コマースプラットフォーム「SiteMinder(サイトマインダー)」による最新調査で、タイのホテル経営者の約半数(48%)が、競合他社の価格変更やイベント発表などに迅速に対応できず、少なくとも週1回は収益機会を逃していることが明らかとなりました。

この「収益漏れ」は、市場の変化、たとえば宿泊料金の競争的値下げや大規模イベントの開催発表などに反応するのが遅いことが主な原因だと指摘しています。

調査は2025年8月、世界各国のホテル経営者700人以上(うちタイ国内67人)を対象に実施され、収益管理戦略やテクノロジー導入の現状を分析し行われました。

結果として、タイのホテル経営者の96%が「市場への即応性の重要性が過去1年で高まっている」と認識しているにもかかわらず、多くの施設が依然として手作業中心の運営に依存しており、迅速な対応を妨げている実態が浮き彫りとなりました。

手動管理が機会損失を招く

調査によると、タイの回答者の25%が月1回以下しか宿泊料金を更新しておらず、30%が週1回更新しているにとどまった。

しかし市場の需要や競合状況は、1日のうちにも何度も変動する可能性があります。

こうした対応の遅れは、特に今後の主要イベントを控えたタイの観光・宿泊業界にとって大きな損失となる恐れがあると言います。

SiteMinderのデータによれば、2025年12月9日〜20日にバンコクで開催予定の東南アジア競技大会(SEA Games)では、すでに宿泊の事前予約数が前年比16%増、平均宿泊料金(ADR)が6%上昇している。

この数字は、イベント需要に機敏に対応できるホテルが高い収益を上げられることを示しています。

SiteMinder、新サービス「Dynamic Revenue Plus」を発表

こうした課題に対応するため、SiteMinderはバンコクで新たな収益管理ソリューション『Dynamic Revenue Plus』を世界同時発表しました。

このサービスは、収益管理の専門企業 IDeaS との共同開発によるもので、スマートフォンを中心に操作できるモバイル対応型のツールとなっています。

高度な収益管理技術を、あらゆる規模のホテルが手軽に利用できるよう設計されています。

同プラットフォームでは、リアルタイムの市場インサイトを提供し、地域イベント、競合の動向、需要の変化に基づいて、価格設定・在庫配分・販売戦略を即時に調整可能とします。

強力なデータ基盤とAIエンジン

Dynamic Revenue Plusは、年間1億3,000万件以上のホテル予約を処理するSiteMinderの巨大データエコシステムを基盤としており、同社独自のAIエンジン「SiteMinder iQ」によって強化されている。

この新ソリューションにより、タイのホテル業界はより迅速で戦略的な価格運用を可能とし、急速に変化する市場環境下でも最大限の収益確保を目指せる見込みです。

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