タイ北部、「バーンラカム モデル」対象地域にもかかわらず浸水2か月、支援ゼロ! 被災者の悲痛な叫び。
- 2025/10/3
- タイ北部

タイ北部スコータイ県、スックカセーム地区チクエーン村の住民から、窮状が届いています。
同地区は「バーンラカム モデル」事業の対象地域ですが、現在2か月以上にわたる洪水被害に苦しんでおり、住宅地の水位は上昇し続けているにもかかわらず、いまだにどの機関からも支援を受けられていないといいます。
※「バーンラカム モデル」…タイ政府が水害対策として導入した 洪水調整・貯水プロジェクト。雨季やチャオプラヤ川流域で水量が増えたときに、田んぼを一時的な「貯水池」として利用。
住民の声
57歳のルンラッサミーさんは次のように語っています。
「『バーンラカム モデル』が始まって以来、私たちはずっと苦しんできました。
毎年洪水が深刻化し、長期間水が引かず、家の中まで浸水し何か月も水に浸かったまま生活しなければなりません。
食事も睡眠も大変で、水の中を歩き続けて“水虫や皮膚炎”のような病気になっています。
それでも誰も見に来てもらえず、声をかけてもくれません。」
過酷な生活
「洪水が始まってすでに2か月。働きに出ることもできず、孫の世話や93歳の両親に食事や水を届けることに追われています。
寝ても熟睡できず、毒蛇などの危険動物にも怯えながら、水に浸かったままの暮らしです。
食べるのも寝るのも困難で、すべて自力でしのぐしかなく、誰も頼れません。」
また、地域には寝たきりの高齢女性や、出産したばかりの母親と新生児が水没した家に暮らしているケースもあり、雑貨店を含め多くの家庭が被害を受けています。