タイ当局、サファリワールドの猛獣エリア、安全基準の80%に不備。一時閉鎖へ。普段は査察しないの?

事件が起きた後ではなく、事件前から定期的な査察を行っておいて欲しい。
これはタイ政府の問題です。

9月12日、タイ国立公園・野生動物・植物局(以下、国立公園局)は、バンコクのサファリワールドで発生した、ライオンによる飼育員死亡事件に関連して、以下の通り発表しました。

「サファリワールドの猛獣エリアを一時閉鎖し、安全基準および動物福祉基準に沿った改善を行うよう指示した」

国立公園局は緊急命令を発し、サファリワールドに対して猛獣ゾーン(Safari Park)のサービス提供を即時停止するよう指示しました。
これは、調査の結果、安全対策および動物福祉が依然として不十分であり、多くの改善点が30日以内に対応される必要があることが判明したためであると伝えています。

バンコク・サファリワールド、観光客の目の前でライオンが飼育員を襲撃。サファリゾーン一時閉鎖に。

 

事件概要

・ライオン7頭中5頭が飼育員を襲撃し、飼育員死亡
・全ライオンは10歳前後
・問題のライオン5頭は一時的に別ケージで隔離し、性別ごとに分け行動観察
・行動が改善されない場合は、プラチンブリー県の動物施設へ移動させ、新しいライオンを導入する可能性あり

調査結果

・ケージの品質が、基準の80%を下回る状態
・安全性の重大な欠陥が多数発見、即時改善が必要

1. 環境・施設

・高さ3mの二重フェンスに複数の損傷箇所
・フェンスの補強、高さの均一化、下部に支柱追加を指示
・フェンス付近の雑草除去も指示

2. 注意看板

・英語表記は不十分で、警告の強化と数の増加を要求
・緊急連絡先番号の明示も指示

3. セキュリティ

・死角に監視カメラ追加
・出入りゲートに常駐職員を配置し、緊急時の迅速対応を義務化

4. 職員用車両

・動物誘導車両に防護格子を追加
・職員は電撃棒や高圧水鉄砲など防護装備を常備
・2人1組の「バディシステム」での運用を推奨

5. 動物福祉

・ライオンケージは、水はけが悪く床が常時濡れており滑る
・日光不足、換気不良
・トラの子どもに皮膚炎や感染症が発生(湿気・衛生不良が原因)

今後の対応

・サファリパーク(猛獣展示エリア)の営業停止を継続
・緊急事態対応計画の見直し、実行可能な訓練の実施
・発見された23項目の欠陥を30日以内に改善完了させることを命令

国立公園局は、国内の動物園の基準を引き上げ、全施設で国際基準に準拠した安全管理と動物福祉を確実に実施する方針を明言しています。

っていうか、国立公園局、普段なにやってんの?
これだけの不備、昨日今日で発生したものじゃないでしょ。

関連記事

最新記事

月間人気記事TOP10

ページ上部へ戻る