日産自動車、世界販売トップ10から陥落。BYD・吉利汽車・スズキにも抜かれる。

日産自動車は、今期初めて世界自動車メーカー販売台数ランキングのトップ10から外れました。

2025年上半期、日産の世界販売台数は前年同期比6%減の161万台となり、16年ぶりの低水準を記録。
これは2008年の世界金融危機後の154万台以来の落ち込みとなっています。

また、2004年以来初めて世界トップ10から外れました。
市場調査会社マーケットラインのデータによれば、日本のスズキ、中国のBYD(比亜迪)、吉利汽車(Geely)にも抜かれる結果となっています。

累積する損失

2025年第2四半期、日産は1,157億円の最終赤字を計上。
前年同期の285億円の黒字から大幅悪化(506.7%の反転)しました。
販売減少とコスト増が主因で、これで4四半期連続の赤字となります。

・中国市場:最大市場の中国では販売が18%減の27万台に。2018年のピーク72万台から60%以上の減少。4月発売の低価格EV「N7」も流れを変えられていない。

・米国市場:ハイブリッド車のラインナップ不足で競争力を欠き、さらに輸入車関税を控えた販促抑制で販売機会を逃した。

・日本市場:国内販売は10%減の22万台で32年ぶりの低水準。CFOのジェレミー・パパン氏は「ブランドへの消費者信頼の低下が大きな要因」と認めています。

中国勢とスズキの躍進

一方、日産が失速する中で中国メーカーとスズキが急浮上いています。

・BYD:販売33%増の214万台で、前年の10位から7位に急上昇。
・吉利汽車(Geely):11位から8位へランクイン。
・スズキ:今回初めて163万台で日産よりも上位に。5年前には日産がスズキを80万台差で上回っていました。

今後の見通し

2025年後半も厳しい状況が予想されています。

・米国:日本・欧州・韓国からの輸入車に15%の関税が課され、価格上昇で需要減の懸念。
・中国:EV市場の成長鈍化と価格競争激化で、BYDのような大手でも利益率が圧迫される可能性。

日産は、今年後半に日本で8年ぶりに全面改良するEV「リーフ」の投入を皮切りに、新モデル群で巻き返しを狙っています。

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