「タイにある中国の省」急速に中国化するバンコク・ホイクワン。中華街ヤワラートとの違いとは?
- 2025/8/9
- バンコクとその近郊

バンコクのホイクワン地区は、急速に「第2のチャイナタウン」として確立しつつあります。
そこは、バンコクの歴史的な中華街ヤワラートの雰囲気をかもし出す、にぎやかな地区です。
この変貌は、近年増加している中国からの移民によって主に推し進められています。彼らはプラチャラートバンペン通り沿いに店を構え、このエリアを商業の中心地へと変えています。
通りには中国人経営のレストランや商店、各種サービス業が並び、新生活をタイで築こうとする移住者を引き寄せています。マンダリン(標準中国語)の看板や中国人経営の両替所が点在するなど、中国文化の存在感は鮮明で、一部の地元住民は冗談交じりに「タイにある中国の省」と呼ぶほどです。
バンコクの第2チャイナタウン
ヤワラートが長年にわたって中国人が暮らし、タイ社会に融合してきたのとは対照的に、ホイクワーンの中国人移民は比較的最近タイに来た人々です。
多くは旅行や仕事、留学を目的に訪れ、ビジネスの機会を見出して定住しようとしています。
このエリアでは、タイ語を話さず、地元文化との結びつきが薄い中国人商人も多く、ヤワラートで見られるような、より定着した中華系コミュニティとは明確な違いがあります。
こうした投資流入は確かに地域の活性化をもたらしていますが、その影響については地元住民の間で懸念も持ち上がっています。
中国系のビジネスが繁栄する一方で、経済的な恩恵がタイの地域社会全体に及んでいないのではないかという声が上がっているのです。
中国人経営の店が大半を占めることで、お金が中国人コミュニティ内にとどまり、経済的な分断を生む可能性も指摘されています。(例:ゼロバーツツアー)
不動産市場への影響
地域の急速な変化は不動産価格にも影響を与えています。
近年、ホイクワーンの不動産価格は急騰しており、一部の建物は1,600万バーツにも達し、多くの長年のタイ人住民が手の届かない水準になっています。
その結果、地元の人々は、コミュニティの中心から追い出されてるという状況も生まれています。
それでも増す魅力
課題はあるものの、ホイクワーンの人気は高まる一方です。
この新しいチャイナタウンは、タイ人にはない活気ある中国文化が蠢く街として、ユニークなスポットとなり、グルメや観光客に愛されています。