タイとラオスの国際共同研究チーム、新種の小型蜘蛛『ブンカムペーン』発見!

7月29日、コンケン大学(カセサート学部 昆虫学・植物病理学専攻)は、タイとラオスの国際共同研究の成果として、ラオスで世界初となる新種の小型蜘蛛「ブンカムペーン(Phlogiellus khampheng)」を発見したと発表しました。
研究は、ZooKeys(国際学術誌、Q1ジャーナル)に、2025年7月22日付けで掲載されています。

研究の概要

・発見者は、パティパン・スリラナン氏、チャワリット・ソンサーンチョート氏で、ナリン・チョンプープアン准教授の指導のもと調査。
・ラオス南部にて新種の小型蜘蛛を発見。属性はPhlogiellus。
・本研究では、形態学的特徴と合わせてDNA解析も初めて併用し、正確な分類に成功。

新種「ブンカムペーン」の特徴:

・成熟したメスは通常の同属の3分の1程度の小型種。
・卵のうに入っていた子グモはわずか7匹で、これは平均より少ない。
・巣はアリやシロアリの巣の近くに作られ、巣内には多くのアリやシロアリの死骸が見られた → 主要な餌と考えられる。

名前の由来と意味

・学名:Phlogiellus khampheng Sriranan, Songsangchote & Chomphuphuang, 2025
・「カムペーン」は、ラオス語・イサーン語で「愛する人」「大切な存在」という意味。

命名には、タイとラオスの友情・協力関係への敬意、さらに准教授ナリン氏の母「カムペーン・チョンプープアン」さんへの敬意と感謝が込められていると言います。

保全と生物多様性への警鐘

ナリン准教授は、次のように述べています。

「森林伐採、農地・都市開発、気候変動によって、多くの小型生物の生息地が急速に失われつつあります。特に、限られた地域にしか生息しない固有種にとって、絶滅の危機がすぐそばまで来ています。
ブンのような小型肉食生物は、害虫の制御者であり、同時に他の生物の餌にもなるため、生態系にとって重要な存在です。
この発見をきっかけに、自然林の保全と生物多様性の維持が求められることを再認識してほしい。」

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